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1994 年度 研究成果報告書概要

高性能バイオセンサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 04044047
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関東京大学

研究代表者

輕部 征夫  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50089827)

研究分担者 THOMAS Danie  コンピエーヌ工科大学, 酵素工学科, 教授
COMTAT Mauri  ポールサバチエ大学, 物理・電気化学研究所, 教授
MARTY JeanーL  ペルピニアン大学, 応用複合領域研究所, 教授
COULET Pierr  リヨン大学, 酵素遺伝子研究所, 教授
THEVENOT Dan  パリ大学, 化学科, 教授
佐々木 聡  東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70262110)
矢野 和義  東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (40262109)
池袋 一典  東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70251494)
松川 律子  東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員助教授 (70112943)
竹内 敏文  広島市立大学, 情報科学部生体情報処理講座, 教授 (70179612)
研究期間 (年度) 1992 – 1994
キーワード高性能免疫センサー / メディエーター型バイオセンサー / 環境計測用バイオセンサー / フォトバイオセンサー
研究概要

「フォトバイオセンサーの開発」においては、以下の研究実績を得た。ク-レ研究室は、光ファイバーを用いるバイオセンサー(オプトロード)の研究で知られている。本測定システムは光検出器としてフォトマルを使用しているために小型化することが困難である。そこで、まずはじめに光検出器としてプレート型フォトダイオードおよびアバランシェ型フォトダイオードを使用し、フォトマルを用いた場合と同等の光検出特性を得た。この結果、本オプトロードは小型化でき医療計測への応用が可能であることが分かった。次に、光検出器としてアバランシェ型フォトダイオードを用い、ペルオキシダーゼ・キサンチンオキシダーゼ複合酵素膜を作成し、ヒポキサンチン測定用オプトロードを構築して食品計測用センサーへの応用を追及した。そこで、オプトロードシステムの基本的特性を評価し、固定化酵素(ペルオキシダーゼ)の測定限界を調べた。その結果、絶対量で20〜100pico molの固定化ペルオキシダーゼが検出できることが分かった。さらに、最適化されたルミノールおよび過酸化水素濃度に基づく場合、少なくとも4pico molの固定化ペルオキシダーゼが検出できることを示した。
「高性能免疫センサーの開発」においては、以下の研究実績を得た。トーマ教授の研究室では、抗体に触媒機能を持たせた、モノクローナル触媒抗体の研究を幅広く行っている。AIDSや肝炎の迅速な診断のために、これらの原因となる病原菌を検出する高性能な免疫センサーの開発が求められている。通常の抗体は抗原と特異的な吸着をするだけなので、免疫センサーを構築するためには、抗原抗体反応による微小な質量変化を検出するか、酵素で標識した抗体を用いて酵素反応による変化を検出する必要があった。従って、高性能な免疫センサーを開発するために、申請者らの独自技術であるマイクロデバイスを、トーマ研究室で主に研究しているanti-idiotypicの触媒抗体と組み合わせることを検討した。同研究室では主として、anti-idiotypic触媒抗体の作製法、評価法の実習を行い、技術を習得した。
「メディエーター型バイオセンサーの開発」においては、以下の研究実績を得た。コンタ教授の研究室では、光電気化学的分析法を用いて、生体分子の電気化学的特性を分光学的に評価する研究を幅広く行っている。酵素センサーを構築する上で、酵素ど電極との間に電子の橋渡しを行う人工分子であるメディエーターを用いる場合、溶存酸素のような共存物質の影響を受けにくく、かつ高濃度の基質の定量が可能になるといった利点がある。そこでメディエーター分子の酸化還元状態を分光学的に調べることにより、電極表面だけでなく、酵素膜の厚さ方向の電子移動に関する情報が得られるので、メディエーターの最適化を行えると考えた。またさらにこれらの研究により実用化に近い新しいメディエーター反応系を利用したバイオセンサーの開発を行った。グルコース酸化酵素のメディエーターであるフェロセン誘導体をグルコース酸化酵素に結合させ、その電気化学的特性を分光学的に評価したところ、活性中心からフェロセンを経由して電極に電子が伝達されることが確認された。
「環境計測用バイオセンサーの開発」においては、以下の研究実績を得た。ペルピニヤン大学マ-ティー研究室では、農薬の生物化学的計測の研究を行っている。まず有機リン系の農薬がアセチルコリンエステラーゼの活性を阻害することに着目した。その酵素活性を電極上で測定できるか検討を行ったところ、活性評価に十分使用できることがわかった。次にアセト乳酸合成酵素が除草剤であるスルホン尿素により特異的に阻害されることに着目して、この酵素を大腸菌に大量発現させ、分離精製した。精製した酵素はポリエチレングリコールの存在により安定化されたので、バイオセンサー素子として利用できる可能性が示された。さらに除草剤ジクロロフェニルジメチル尿素(DCMU)は植物の光合成活性を阻害することに着目した。ほうれん草の葉緑体を光架橋性樹脂で白金電極上に固定化し、光合成によって生成される酸素を測定した。その結果、DCMUの存在によって生成される酸素が減少することがわかった。また本固定化方法により固定化膜の寿命を約1年にすることが可能となった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 永田良平、横山憲二、エレン・デュリア、モ-リス・コンタ、ス-ザン・アン・クラーク、輕部征夫: "スクリーン印刷グルコースセンサーのための酵素含有インク" エレクトロアナリシス.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Ryohei Nagata, Kenji Yokoyama, Helene Duriat, Maurice Comtat, Susan Anne Clark, and Isao Karube: "An Enzyme-Containing Ink for Screen Printing Glucose Sensors" ELECTROANALYSIS.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1996-04-15  

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