研究課題
石油代替燃料としては、埋蔵量から考えて石炭が最も期待される。一方、地球規模の環境汚染が憂慮されるようになって、化石燃料の使用に伴う媒廛、亜硫酸ガス、さらには炭酸ガスの発生が厳しい批判を受けようとしている。チェコ共和国は、自由化後の経済再建を図る上でエネルギー問題は最重要課題であり、自国に賊存する褐炭の有効利用を試みようとしている。環境問題を考えるとき、深刻なのが東欧諸国の石炭大量使用から発生する汚染物質対策であるというのが世界共通の認識である。そこでチェコ炭の特性を調ベて、共同で適切な公言防止策を備えた有効利用を考えようというのが主目的となっている。チェコ炭に関する十分な情報がない。そこで、まず相手側のチェコ共和国プラハ市にある化学プロセス基礎研究所より副所長ドラホス博士と研究員プヌショーハージ博士の2名を日本に招へいした。チェコ炭の物性、利用状況、開発研究の現状を聞くとともに、日本側の研究状況を見せて意見交換を行なった。滞在期間は2週間にわたり、東大、北大の研究のみならず、通産省北海道工業開発研究所、三菱重工・長崎研究所と日本COM社石炭スラリー研究所と通産省や民間の研究所の視察も実施され、わが国の研究については十分な理解が得られたと考えている。チェコ炭は灰分が数10%も含まれ、しかも水分の含有量も高く使い難い石炭である。さらに石炭採堀にともない排出する汚水が全土に広がり深刻な問題となっている。汚水中にはカドミウム、水銀などの重金属が多く含まれ、石炭を吸着剤として利用する処理方法が研究されている。燃焼といった通例の用途とは異なり、路盤材への利用などへの開発研究が必要なのではないかと考えており、チェコ訪門による適切技術の選択を考えていく。
すべて その他
すべて 文献書誌 (1件)