研究課題
チェコに埋蔵される褐炭のような低品位炭を燃焼または液化して利用すること、それに伴い排出される灰を利用することを目指して、それにふさわしいプロセスを提出することを目的として研究を行っている。まず燃焼や脱硫、液化反応への触媒的効果を十分に把握すること、また除去すべき対象金属は何かなどを知ることから研究をスタートさせ、日本側、チェコ側とも双方の研究施設を視察し、得られている研究実績を提示し合って研究計画について十分な討議を行い、相互の現状を把握することに勤めてきた。今年度は日本側から2名をチェコの化学プロセス基礎研究所に派遣し、以下の点を調査した。1)チェコの石炭の特性および現在の利用状況の理解2)チェコの公害発生状況の把握3)チェコ化学プロセス基礎研究所が推進する金属除去プロセスの把握また、チェコ側から、Drahos副所長、Horacek主任研究員を招へいし、以下の点を調査してもらった。1)日本の石炭利用技術(燃焼、液化、ガス化、コールクリーニング)の現状2)日本の公害防止技術、特に脱硫、脱硝、汚水処理技術の把握3)日本の超臨界液化技術など、より低公害で高効率の石炭利用を目指す新技術の基礎研究、開発研究の状況の把握また、イオン交換を用いる金属除去プロセスに関して、石炭利用プロセスにおける排水処理の各種金属が多量に含まれるチェコ炭についての基礎的データ得て、論文として発表した。また、超臨界水による褐炭の液化実験を行ない、論文誌に投稿した。今後、東欧諸国に適した環境安全性の高い石炭有効利用プロセスを模索・検討する。
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