研究課題
1.インド(デリー大学)側での概要(1)Brassica junceaの未熟花粉から不定胚を誘導させる安定的な培養技術を開発した。誘導した不定胚から効率よく正常な実生の発芽を導く培養技術を確立した(Bhojwani and Agarwal)。(2)Brassica属に耐病性や細胞質雄性不稔性を導入するために、Enarthrocarpus lyratusと数種のBrassica属との交雑に胚培養技術を適用し、4組み合わせについて雑種を作出することに成功した。有用な雄性不稔性を作出するため戻し交雑を実施中である。また、すでに開発した花粉貯蔵技術については育種の場面で耐病性の細胞選抜等に応用するなど、いくつかの実験を行った(Shivanna)。(3)Allium属の柱頭や花柱について発育経過および組識化学的特徴を観察し、transmitting組織の発育や細胞間分泌の発達が特異的であることを明らかにした(Bhatnagar)。2.日本側での概要(1)インド側スタッフと共同でB.junceaの幼胚、未熟花粉へのDNA導入実験を行いつつある(内宮、吉田、Agarwal)。(2)Nicotiana属を用いて種間交雑における花粉管の行動について詳細な検討を行った。また、タバコを用いて花粉管伸長に関係があると思われる花粉内物質について若干の新知見が得られた(武田)。(3)イネのカルスから不定胚を経過する系と不定芽を経過する系の培養技術をそれぞれ確立し、現在その物質的基礎を追究中である(吉田)。(4)イネ属の供試材料については日本国内の遺伝資源貯蔵施設からの入手について成功した。インドにおいては3月に入手する予定である(丸橋)。
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