研究課題/領域番号 |
04044060
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
小山 昇 東京農工大学, 工学部, 教授 (40134845)
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研究分担者 |
立間 徹 東京農工大学, 工学部, 助手 (90242247)
ANDREW Hamne ニューキャッスル大学, 化学部, 教授
FRED C Anson カリフォルニア工科大学, 化学部, 教授
直井 勝彦 東京農工大学, 工学部, 講師 (70192664)
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キーワード | 導電体基板 / 電極活性機能性化合物 / 分子デザイン界面 / ポリアニリン / フェナントロリン鉄錯体 / ビオロゲン二分子膜 / フェロセンポリマー / 水晶振動子電極法 |
研究概要 |
本研究は、導電体基板表面に種々の電極活性機能性化合物を導入することでその表面を分子レベルで機能化し、新たに創製された、その"分子デザイン界面"での電気化学的挙動を、海外における研究室との共同研究を通じ定量的に評価することを目的といている。本年度の研究で得られた結果を以下に示す。 1.高性能二次電池の電極材料として期待されている2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール(DMcT)の酸化還元反応が、ポリアニリン薄膜により促進されることを見いだした。そこで、DMcTとポリアニリンとの反応中間体を分光学的に検出するため、ハムネット教授との共同研究を行っている。 2.電解重合可能な置換基を有する新しいフェナントロリン鉄錯体を合成した。それらを直接電解重合することで作製した薄膜では、色変化応答速度が改善されることが明らかになった。 3.ビオロゲン二分子膜の酸化還元反応に伴い移動するイオンの種類が、測定溶液の電解質濃度に支配されていることが明らかになった。また、その酸化還元反応が電子・物質移動のみならず薄膜の物性変化を引き起こすことを見いだした。 4.フラビン酵素に対して電子媒体作用を示すフェロセン修飾シロキサンポリマー(PSF)は、疎水性アニオン(CIO_4^-,BF_4^-など)を電解質として用いた場合に安定な酸化還元応答を与えることが明らかになり、水晶振動子電極(QCE)法を用いてその酸化還元に伴う物質移動過程を詳細に評価した。 5.[Os(bpy)_3]^<2+>錯体を固定化したNafion薄膜では、錯体の酸化還元に伴い膜/液界面を移動する対イオンの種類が錯体の固定化量により異なるので、QCE法を用いて、この薄膜系の酸化還元に伴う対イオンの動的挙動と膜の粘性変化等の評価を行った。 2から5の実験結果に関する理論的解析および新しい物性評価法の確立を、アンソン教授との共同研究を通じて行っている。
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