研究分担者 |
C Baltay エール大学, 物理学部, 教授
D W G S Leit スタンフォード線型加速器センター, 教授
M I Breidenb スタンフォード線型加速器センター, 教授
C Y Prescott スタンフォード線型加速器センター, 教授
長嶺 忠 スタンフォード線型加速器センター, 研究員
川原 英明 スタンフォード線型加速器センター, 研究員
末包 文彦 東北大学, 理学部, 助手 (10196678)
高橋 徹 スタンフォード線型加速器センター, 研究員
増田 裕昭 スタンフォード線型加速器センター, 研究員
吉岡 正和 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (50107463)
湯田 春雄 東北大学, 理学部, 教授 (90108457)
杉山 晃 名古屋大学, 理学部, 助手 (80187674)
中西 彊 名古屋大学, 理学部, 助教授 (40022735)
鈴木 史郎 名古屋大学, 理学部, 助教授 (50089851)
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研究概要 |
スタンフォード線型加速器センター(SLAC)の電子・陽電子直線衝突型加速器(SLC)の衝突点に設置したSLAC大型汎用測定装置(SLD)により、平成4年2月から衝突エネルギー92GeVでデータ収集を開始し、4月中旬には偏極電子ビームによる実験(偏極度22%)に移った。8月中旬までにZ^0生成事象を11,000個収集し、Z^0生成断面積の非対称バラメーター(A_<FB>)の測定からZ^0と電子の結合の強さを決定した。これはこれまでの最高精度のLEP実験と同等の精度である。また、SLD測定器の特長の一つである3次元パーテックス検出器は設計通りの性能を出しており、重いクォークの結合定数や崩壊パラメーターを高い精度で決定できる可能性を具体的にしめした。 SLC加速器は運転経験を積むとともに、システムのフィードバックの強化などにより、ビーム衝突を長時間安定に維持することが出来るようになリ、ルミノシティは指数関数的に向上し、Z^0生成率は1時間あたり20事象となった。これは高統計データ収集の見通しがついただけでなく、将来のリニヤーコライダー建設に明るい展望を与えるものである。一方、偏極電子源は、"歪ませた"AlGaAs結晶カソードにより高い偏極(90%)を得ることに名古屋大学が成功したのをきっかけに、SLAC側の実用化開発が進み、一気に70%台に向上した。またSLD実験が要求する長時間・大強度運転に耐える固体レーザ(波長=530nm)が実用化され、SLDの衝突点で55%の偏極度が達成された。また、名古屋大学、高エネルギー物理学研究所、SLACの協力により85%以上の実用偏極電子源を作るための開発研究が進められている。 平成5年末までに、衝突点での偏極度約55%でZ^0事象およそ50,000の収集を予想しており、解析が進み次第、結果を公表する予定である。
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