日本-カナダ共同学術研究「環境負荷低減を目指した石炭高度利用技術の開発」

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 04044086
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 橋本 健治 京都大学, 工学部, 教授 (20025919)
• 研究分担者: SCOTT D.S. Waterloo大学, 化学工学科, 教授 ; CHORNET E. Sherbrooke大学, 化学工学科, 教授 ; WATKINSON P. British Columbia大学, 化学工学科, 教授 ; FURIMSKY E. CANMETエネルギー研究所, 主席研究員 ; SILVESTON P. Waterloo大学, 化学工学科, 教授 ; 林 順一 関西大学, 工学部, 助手 (60247898) ; 前 一廣 京都大学, 工学部, 助教授 (70192325) ; 船造 俊孝 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60165454) ; 大塚 康夫 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (20091663) ; 三浦 孝一 京都大学, 工学部, 教授 (40111942) ; 富田 彰 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (80006311)
• キーワード: 石炭転換技術 / 石炭の熱分解 / 石炭ガス化生成ガスの精製 / 活性炭 / カナダ炭

研究概要

本年度はまず、日本から計4名の研究者がカナダの4つの大学、研究所で実質的な共同研究を実施した。さらに、2名の日本側研究者を派遣し、3名のカナダ側研究者を招へいすることで、昨年度からの共同研究の進展を図った。具体的には、7月21日から9月22日の63日間、大塚がCANMETに滞在し、石炭ガス化における鉄触媒の作用機構に関する研究に、船造がSherbrooke大学に滞在し、石炭・バイオマスの効率的熱分解・液化法の開発に、前がWaterloo大学に滞在して石炭と廃プラスチックの新規共熱分解に関する研究に、また林がBritish Columbia大学で石炭から活性炭を製造する新しい方法の開発に取り組んだ。また、富田、三浦が9月6日〜19日の間カナダを訪問し、上記4名並びにカナダ側の主要な研究者とともにCANMETにおいて開催される研究総括集会に出席し、5年度の研究の進展状況、今後の研究の進め方等について意見交換を行った。さらに、9月12日〜17日には、6名全員がバンフで開催される国際石炭科学会議に出席し、本研究で得られた成果を発表するとともに、最近の石炭科学、石炭利用技術の状況を調査した。一方、Watkinson教授を5月24日から6月4日の12日間、Furimsky博士を5月23日から6月3日の12日間、京都大学へ招聘し、橋本代表と今後の研究の進め方について意見交換を行うとともに、関西大学において開催された日中石炭・C1化学シンポジウムに参加して、本共同研究の成果を含めてカナダの石炭利用技術開発の現況を発表して頂いた。さらに、東北大学及び石炭関連施設にて石炭ガス化に関する意見交換を行った。また、8月14日から22日の8日間、Silveston教授を京都大学へ招聘して、橋本代表と来年度の研究のまとめ方について意見交換を行った。年度末には、本年度の成果報告書を作成し、関係機関、研究者に配布した。

研究成果

• [文献書誌] 三浦孝一: "Analysis of Coal Char Gasitieation by Use of the Pulse Method and ^<18>O Isotope" Energy&Fuels. 7. 1054-1061 (1993)
• [文献書誌] 大塚康夫: "Low temperature Nitrogen Removal from Model Carbons with Ultrafine Iron Particles" Proc.7th ICCS v. vol.2. 11-14 (1993)
• [文献書誌] 大塚康夫: "Iron Catalyzed Nitrogen Removal from Coal and Carbon" 1994 Pittsburgh Coal Conference. (発表予定).
• [文献書誌] 船造俊孝: "Reexamination of the interaction of supercritical Fluids with lignocellulosic Materials" I&EC. (投稿中).
• [文献書誌] 前一廣: "石炭,バイオマス,廃プラスチックの高効率 共熱分解法の開発" 化学工学論文集. (投稿中).
• [文献書誌] 林順一: "石炭からの活性炭の製造" 炭素. (発表予定).