研究課題
1. 大気エアロゾルの光散乱特性光透過性物質中に吸収性の炭素成分を含む内部および外部混合状態のエアロゾル粒子の光学特性について理論計算を行い、とくに光減衰係数・光吸収係数は一般に内部混合の場合が大きく、その差は粒径0.2ミクロン以上で著しいことを示した。また、4極子型セルによる単粒子の気中保持法を確立して、散乱角法などによる粒子の光学特性の計測の可能性を拓いた。なお、課題3に用いる基礎資料として、ウィーン大学側で行った視程測定データと粒子の性状との関連についての資料を整理中である。2. 大気エアロゾルの特性化これまで京都とウィーンで、ろ紙(孔径8.0と0.4ミクロン)上に2段分級採取した大気エアロゾル試料についてPIXE法による元素分析を行い、その特性を比較した。粗大粒子側の元素組成には大きな差異はないが、とくにウィーンの微小エアロゾル粒子中にはいおう・鉛成分が多いことなどを明らかにした。現在、カスケードインパクターによる粒子の粒径別捕集とその組成分析が進行中であり、さらに全世界的規模での捕集ネットワークなどについても、現在検討中である。3. 大気エアロゾルの環境影響評価米国AFGLで開発された大気放射計算モデルであるLOWTRANを用い、幾つかのエアロゾル条件に対する地表入射エネルギーの試算を行った。現在、粒度分布、光屈折率、濃度の高度分布などについてのより現実的なデータの整理とこれにもとずく計算モデルの拡張・改良を行っている。
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