• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

胚性幹細胞を利用した変異マウス株作製系の確立

研究課題

研究課題/領域番号 04044111
研究機関大阪大学

研究代表者

島田 和典  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (40037354)

研究分担者 CONSTANTINI エフ.ディー.  コロンビア大学, 医学部, 教授
ROBERTSON E.  ハーバード大学, 教授
GOTTESMAN Ma  コロンビア大学癌研究所, 所長
前田 秀一郎  山梨医科大学, 医学部, 教授 (10117244)
西口 聖治  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90237686)
城 忠志  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50243259)
瀧原 義宏  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60226967)
キーワードES細胞 / トランスサイレチン / 血清アミロイドP成分 / ビタミンA / レチノール / レチノール結合タンパク質 / 甲状腺ホルモン / アミロイド
研究概要

1.正常トランスサイレチン(TTR)を完全に欠損し、家族性アミロイドポリニューロパチーの原因となるヒト異型TTRのみを産生するマウス株を確立した。これらマウスでは、月齢11ヵ月頃から6匹中、4匹に食道、大腿骨を中心にアミロイドが沈着し始めていた。一方、正常TTRとヒト異型TTRとを産生する同月齢の対照マウスでは、6匹中、1匹で食道にのみ、アミロイドが沈着していた。ヒト異型TTRのみを産出するマウス血中では、ヒト異型TTRからなるホモテトラマ-のみが存在し、対照マウスでは、マウス正常TTRとヒト異型TTRとからなるヘテロテトラマ-が形成される。上記の結果は、異型TTRのみからなるホモテトラマ-が主にアミロイドを形成して沈着することを示唆すると考えられる。また、TTRを完全に欠損したマウスでは、血中のレチノール結合タンパク質及び甲状腺ホルモン(T4)のレベルが、それぞれ、正常マウスの3%及び3.5%に低下しているが、これらヒト異型TTRのみを産生するマウス血中においては、レチノール結合タンパク質が正常値の8.4%に、T4が5.6%に増加していることを見い出した。
2.胚性幹(ES)細胞の由来した129/Sv/Evマウスの遺伝子ライブラリーより単離した血清アミロイドP成分(sap)遺伝子領域を用いて、sap遺伝子への挿入変異導入用のベクターを作製し、ES細胞に導入した。こうして得たG418及びGANCに耐性の約120個の細胞の各々からDNAを抽出して調べたが、未だ目的とする挿入変異株の単離はできていない。
3.ttr遺伝子への挿入変異導入用ベクターを用いて、効率良く変異を導入するためのベクター構造を検討した。この結果、チミジンキナーゼ遺伝子の下流に存在するDNA断片が長いほど、positive negative selection法でのGANCによる濃縮効果が高まること、GANC耐性の非相同組換え株ではベクターDNAが末端から欠失した構造であることを見い出した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] V.Episkopou: "Disruption of the transthyretin gene results in mice with depressed levels of plasma retinol and thyroid hormone" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 90. 2375-2379 (1993)

  • [文献書誌] K.Horie: "Structure of replacement vectors for efficient gene targeting" J.Biochem.(Tokyo). in press (1994)

  • [文献書誌] M.Nomura: "Isolation and characterization of retinoic acid inducible cDNA clones in F9 cells:One of the early inducible clones encodes a novel protein sharing several highly homologous regions with a Drosophila polyhomeotic protein" Differentiation. in press (1994)

  • [文献書誌] S.Nishiguchi: "A survey of genes expressed in undifferentiated mouse embryonal carcinoma F9 cells:Characterization of low-abundance mRNAs" J.Biochem.(Tokyo). (Submitted)

  • [文献書誌] S.Wei: "Studies on the metabolism of retinol and retinolbinding protein in transthyretin-deficient mice produced by homologous recombination" J.Biol.Chem.(Submitted)

  • [文献書誌] 島田和典、前田秀一郎: "マウス胚性幹細胞を利用したヒト疾患モデル動物の作製" 学術月報. 46. 833-837 (1993)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi