研究課題/領域番号 |
04044114
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉野 明雄 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (90231737)
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研究分担者 |
MORRISON Ala National Institutes of Health, National I, 室長
JOHNSTON Lel National Institute for Medical Research, 部長
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キーワード | 真核細胞染色体複製 / 出芽酵母 / 蛋白リン酸化酵素 / DNAポリメラーゼα-プライマーゼ / CDC / 細胞周期 / DNAヘリカーゼ |
研究概要 |
出芽酵母染色体複製に必須なDNAポリメラーゼα、ε、δ蛋白複合体のうち、特に複製開始に必要なDNAポリメラーゼα-プライマーゼ複合体をin vitroで脱リン酸化するとポリメラーゼ活性が消失する。この一旦不活化したDNAポリメラーゼを染色体複製開始直前に必要なCDC7蛋白リン酸化酵素で再度リン酸化すると、DNAポリメラーゼ活性の回復がみられる。更に、このリン酸化はDNAポリメラーゼα-プライマーゼ複合体(4種の蛋白質から構成されている)のうち180KDaのDNAポリメラーゼα触媒蛋白に特異的に起こり、その部位は、^<32>P-リン酸で標識した細胞より精製したDNAポリメラーゼαの180KDa蛋白リン酸化された部位とほぼ一致している。このことはin vivoでも細胞周期中、特にG1/S境界でCDC7リン酸化酵素がDNAポリメラーゼα-プライマーゼ複合体をリン酸化によって活性化し、染色体複製開始を制御していることを示唆する。一方、酵母染色体複製開始及びDNA鎖伸長反応に関与していると考えられる新しいDNAヘリカーゼを同定・精製し、その生化学的性質を詳細に調ベた。又、このDNAヘリカーゼ蛋白のアミノ酸部分配列を決定し、それをコードする遺伝子の単離を現在進めている。更に、CDC7リン酸化酵素と直接相互作用し、このリン酸化活性を細胞周期に依存し制御しているDBF4蛋白の精製を行なうと共にこのDBF4蛋白と相互作用していると考えられる新しい3種類の遺伝子を単離してその構造と作用について検討した。それらの1つはG2/M境界で作用するこ考えられる新しい蛋白リン酸化酵素CDC5遺伝子産物であることが判明し、細胞周期を制御しているCDC28を中心とした経路とは別の新しい制御経路の存在を示唆するものである。
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