研究課題/領域番号 |
04044118
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
和泉 好計 鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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研究分担者 |
ミヒール G M トロン アムステルダム大学, 生化学部, 助手
ロン ウェバー アムステルダム大学, 生化学部, 助教授
大城 隆 鳥取大学, 工学部, 助手 (00233106)
嶋尾 正行 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00032285)
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キーワード | ハロゲン化酵素 / バナジウム酵素 / 酵素の一次構造 / マリンバイオテクノロジー / ハロゲン化有機化合物 / 比較生化学的研究 / 大型海藻 / サンゴモ |
研究概要 |
本年度は海藻と微生物が生産するハロゲン化酵素類の構造と機能に関する研究を以下の通り実施した。 1.海藻Corallina piluliferaの生産するブロモペルオキシダーゼ精製酵素標品の大量調製とその酵素化学的特性の検討日本海沿岸よりサンゴモ科の紅藻C.piluliferaを大量に採集し、この海藻の組織内部よりブロモペルオキシダーゼを約36倍に精製して均一な標品を得た。本酵素は分子量790,000、同一のサブユニット(Mn=64,000)12個からなるホモドデカマーであり、酵素1モルあたりバナジウムが4g原子含まれていることを明らかにした。また、Fe、Mgも多量に含まれていた。本酵素をある条件でアポ化し、それに各種金属塩を加えると、バナジウム塩を加えたときのみ顕著な活性の回復が認められ、この活性回復はFeCl_3の添加により促進されることを見出した。MgCl_2にはその効果は無かった。 2.ハロペルオキシダーゼ類のペプチド断片の取得とそのアミノ酸配列の決定C.piluliferaの酵素とアムステルダム大学で精製された褐藻Ascophyllum nodosumおよび糸状菌Curvuraliainaequalis由来の酵素をプロテアーゼ処理し、得られたペプチド断片を電気泳動で比較したところ、3種の酵素の切断パターンに類似性が見られた。C.piluliferaのペプチド断片については、そのアミノ酸配列を決定した。また、C.piluliferaの全DNAおよびmRNAの単離に成功しつつあるので、次年度mRNAよりcDNAを合成した上、上記アミノ酸配列を基に合成できるDNAプローブと全DNAあるいはcDNAとの相補性試験を行い、本酵素のクローニングを実施する予定である。
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