研究課題
広東心血管研究所疫学部長の李博士の協力を得て、広州地区の客家集団を対象とした疫学調査、及び大家系家族を対象とした高血圧遺伝子分析のための調査を行なった。広州地区に居住する客家集団を対象に、李博士の今までに実施してきた一般住民検診参加者から無作為に300名の40〜60才の男女を抽出し、207名(69%のResponse Rate)の参加者を得た。肥満度の著しいものはほとんどなく、高血圧者の割合も20%程度であった。血液及び尿中の生物学的マーカーの分析は現在進行中である。食生活においては、肉摂取頻度と魚介類摂取頻度が、ほぼ同程度であった。魚介類摂取にあたっては、植物油を中心とした油による調理がなされており、日本人における魚介類摂取の循環器疾患予防への有益性とは、異なった影響が及ぼされていることが推察された。詳細な検討は全生物学的マーカー、特に血漿リン脂質脂肪酸の分析を待って、日中共同で報告する予定である。父母の生死、及び死因に関する家族歴調査では、脳卒中及び不明の者が多く、死亡年令も若いものでは40代、50代のものがかなりみられた。高血圧遺伝子分析のための家系調査では、12家系の協力を得ることができ、そのうち、4家系に濃厚な高血圧歴を認め、中国側研究者に追跡調査を引き続き実施してもらう予定である。この4家系を中心とした遺伝子分析は現在進行中である。
すべて その他
すべて 文献書誌 (2件)