研究分担者 |
横溝 功 岡山大学, 農学部, 助教授 (00174863)
MUSLIMIN Nas インドネシア協同組合省, 研究開発局, 局長
亀山 宏 香川大学, 農学部, 助手 (70177608)
SUTRISNO Iwa インドネシア協同組合省, 課長
三野 徹 岡山大学, 農学部, 教授 (10026453)
岡本 五郎 岡山大学, 農学部, 教授 (30026611)
千葉 喬三 岡山大学, 農学部, 教授 (10036741)
内田 仙二 岡山大学, 農学部, 教授 (80032986)
中里 亜夫 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60044343)
甲斐 諭 九州大学, 農学部, 助教授 (70038313)
稲本 志良 京都大学, 農学部, 教授 (80026468)
堀田 忠夫 大阪府立大学, 農学部, 教授 (40036439)
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研究概要 |
調査対象地域は,乾季を伴う熱帯雨林である。土壌水収支分析の結果,この乾季に対応するためには,地下1mの土層から土壌水分を集める能力が植物に必要である。従って,適切な樹木の間隔をもち,この樹間に草本を伴う植生,つまり若干疎なる熱帯雨林が本地域の原自然の状態である。プカランガンはこの原自然の高・中・低木を人間にとって有用な樹木と草木に転換し,これを家屋の回りに配置したものであり,原自然を巧みに利用し,原自然類似の形態をとっている。また,調査対象村,マジャングテンガ村の地質・土壌を調査した結果,古い細粒の火山灰の降下堆積物を母材とした塩基に富む物理性の良い土壌であり,プカランガン適地であることが分った。そして,人工林・畑・プカランガン・水田の土壌分析の結果,プカランガンの土壌が良好であり,その他の地目の土壌が酸性化傾向にあることを実証し,モノカルチャーの問題点を指摘できた。本村のプカランガンは1戸当たり平均50aの面積に,多種の有用木・果樹・草本が合理的に混植され,自給性が強いが,近年コーヒー・柑橘等の商品的作物も導入されている。これらの商品的作物の合理的導入,プカランガン土地利用の革新について,一定の基本知見を得たが,今後さらに拡充の必要がある。コーヒーはKUD(農村協同組合)所有の工場へ販売されているが,多くの農作物は産地商人を通じバザールで取引されている。柑橘はグリーニング病が問題となっており,繁殖用穂木を接木直前に抗生物質で1晩処理すること等の対策が必要である。家畜もその中間生産物を通じて耕地の地力維持に貢献しており,土地利用の集約化に対応してその比重を高めうるよう飼養方式の革新が求められる。プカランガンの革新には,KUDがカンポン(自然集落)レベルでの市場対応・営農指導体制を創り上げねばならない。
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