研究分担者 |
善 功企 運輸省港湾技術研究所, 土質部, 室長
MURAT Kuru 米国マイアミ大学, ローゼンスティール海洋気象学部, 助手
WELGUN Shi 米国マイアミ大学, ローゼンスティール海洋気象学部, 助手
YAMAMOTO Tok 米国マイアミ大学, ローゼンスティール海洋気象学部, 教授
前野 詩朗 岡山大学, 工学部, 助手 (20157150)
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研究概要 |
波による海底地盤の液状化に関して本年度行なった調査・研究結果の概要は以下のとおりである。 1.水中地盤内の空気含有量測定実験とその解析 音響による水中地盤内の空気含有量測定のための装置を試作し,音響伝播実験を実施した。地盤特性として,空気含有量,間隙率および水圧を変化させ,また,音響特性として,周波数および発生波数を変化させ,それぞれの音響伝播速度の測定を行なった。その結果にYamamotoが開発した地盤定数決定法を適用して解析し,本測定法が地盤中の空気量測定法として有用であることを示した。 2.海底地盤の液状化特性に関する実験的研究 ゆるく堆積した海底地盤の波に対する応答特性を実験的に検討した。その結果,間隙率の小さな砂地盤では認められなかった新しい現象が観察された。すなわち,変動水圧によって地盤中の平均間隙水圧が上昇して発生する,地震時と同様な,持続的な液状化が認められた。同時に,この現象の発生は,地盤を急激に高密度化させることが示された。 3.液状化現象と構造物の安定性に関する研究 海岸防波堤の破壊の主要な原因となっている裏込土砂の流出現象について模型実験により検討した。その結果,流出現象が護岸周辺の地盤の液状化に起因していることが視覚的に確かめられた。 4.現地における海岸侵食調査 1992年4月に山陰海岸において低気圧の通過に伴って海岸線が短期間で著しく後退する現象が発生した。この現象は本研究の内容と密接に関係しているとの観点から,現地地盤の特性,海浜変形状況および波浪特性に関する資料調査を行ない,波による液状化現象との関連について実態調査を行なった。
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