研究分担者 |
前野 賀彦 日本大学, 短期大学部, 助教授 (90110139)
善 功企 運輸省港湾技術研究所, 土質部, 室長
TOKUO Yamamo 米国マイアミ大学, ローゼンスティール海洋気象学部, 教授
前野 詩朗 岡山大学, 工学部, 助手 (20157150)
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研究概要 |
本年度行なった調査・研究結果の概要は以下のとおりである。 1.水中地盤内の空気含有量測定実験とその解析 昨年度に引き続き室内における音響伝播実験をすすめるとともに,本年度新たに,現地海底地盤を対象とした実験を実施した。これらの実験結果を地盤定数決定法により解析した結果,地盤内の空気含有量を決定するためには,地盤の体積弾性率を高精度に推定する必要があることが明らかとなり,音響計測法による空気含有量測定法を確立するうえで今後解決すべき重要な課題であることが示された。 2.海底地盤の液状化特性に関する実験的研究 ゆるく堆積した海底地盤の液状化特性を,標準砂および現地で採取した砂を用いて実験的に検討した。その結果,地震時と同様な液状化は,同程度の間隙率であれば,透水係数が大きい程顕著に発生することが示された。 3.現地における海底地盤の液状化特性解析 山陰海岸における急激な海岸侵食現象の原因究明と関連して,波浪による地盤の液状化特性の解析を行った。その結果,砕波帯域における地盤変動深さがほぼ液状化深さと一致していることが明らかとなった。 4.液状化現象と構造物の安定性に関する研究 海岸堤防の裏込土砂の流出現象および砂地盤上の構造物の沈下現象の可視化実験を行ない,液状化にともなう周辺砂地盤の流動状況を明らかにした。また流動防止対策法として,透水性矢板をこれらの構造物に付加することがきわめて有効であることを明らかにした。
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