研究分担者 |
JUDITH A. Sh マックス, プランク生化学研究所・膜生化学部門, 研究員
FRIEDRICH Lo マックス, プランク生化学研究所・遺伝子センター, 教授
DIETER Oeste マックス, プランク生化学研究所・膜生化学部門, 教授
大塚 正人 岡山大学, 薬学部, 助手 (30243489)
池田 己喜子 岡山大学, 薬学部, 助教授 (20112154)
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研究概要 |
1.Cl^-輸送性ATPase遺伝子のクローニング及び全一次構造決定 カサノリに存在するCl^--ATPaseの構成サブユニットであるa(54kDa)・b(50kDa)サブユニットの遺伝子のクローニングをPCR法を利用して試みた。aサブユニットについては,PCR法によるcDNAライブラリーのスクリーニング→プラークハイブリダイゼーションにより約800bpより成るクローンを得た。又,同一のクローンがtotalRNAを逆転写後PCRにより増幅した場合にも得られた。塩基配列決定を行った結果,蛋白質レベルで得たaサブユニットのN末端からのアミノ酸配列をコードしており,45アミノ酸残基まではCF_1-ATPaseのαサブユニットと高い相同性を示すが,それ以降の相同性は低いものであった。クローンの長さも短かく,偽遺伝子の可能性が示唆された。bサブユニットについては,totalRNAを逆転写後PCRによる増幅を行い,重複する3種類のクローンを得た。全体として1,427bpであり,bサブユニットをコードするORFをほぼ完全にカバーするものであった。このORFには,蛋白質レベルで得たアミノ酸配列が確認された。既存のカチオン輸送性ATPaseと比較するとFタイプATPase,βサブユニットに最も高い可能性を示した(N末端から120アミノ酸残基までは約70%,それ以降は90%以上)。 2.sulfate permease遺伝子のクローニング及び全一次構造決定 カサノリの硫酸イオン取り込み系と推定されるsulfate permeaseの構成サブユニット,CysA/CysT/CysW蛋白質及びsulfate binding protein(SBP)のクローニングを行った。cysAについては,シアノバクテリアCysA蛋白質と55%及び48%の相同性を示す2種類の遺伝子断片を得た。sbpについては,大腸菌・サルモネラ菌SBPと90%以上の相同性を示す遺伝子断片を得た。cysT/cysWは各2種類の候補クローンを得,塩基配列決定を進めている。
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