研究課題
本年度α_1(VIII)をコードする遺伝子断片を単離し、この遺伝子DNAの部分塩基配列を決定することによって、マウスα_1(VIII)鎖のアミノ酸一次構造を決定することができた。さらに以前に単離していた家免α_1(VIII)鎖をコードするcDNAを利用したサザンブロッティングを行うことによってこのマウス遺伝子が2つ以上のエクソンから成ることが明らかになった。さらにこの二つのエクソンのすちの3′側に位置する大きなエクソンの中に、ユニークな制限酸素であるBamHIが切断する部位が存在し、この部位に外来遺伝子であるNeo^R遺伝子を挿入することにより、α_1(VIII)遺伝子の完全な発現停止したマウスを得ることが可能なはでである。この制限酸素BamHI部位はコラーゲン部分をコードする部位の中央にあり、マウス胎児幹細胞への導入によって、VIII型遺伝子発現不活化クローンを得るのに好都合である。現在このVIII型遺伝子発現不活化クローンを、G418抗抗クローンの集団の中から、RCR法、サザンブロッティング法と陽性幹細胞の希釈の繰り返しによるサブクローニングによって目的の単一クローンの候補クローンを複数得ている。またマウスα_1(VIII)mRNAは4.2kbの大きさであり、家免α_1(VIII)mRNAよりも2.8kbもサイズが大きいことが判明した。このサイズの違いは、マウスmRNAが長い3′側の非翻訳部分を有することによることがわかった。マウス新生児を用いたノザンブロッティングとin situハイブリダイゼーション法によって、α_1(VIII)遺伝子が皮膚表皮細胞、角膜表皮細胞及び内皮細胞、骨及び軟骨細胞周囲の間葉系細胞に活発に発現していることが判明した。
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