研究分担者 |
R.E.STOLLER ストーラー 米国オークリッヂ国立研究所, 金属・セラミックス部門・主任研究員, 上級研究
T.D.DE la Ru 米国ローレンス, リバモア国立研究所・凝縮固体及び分析科学部門, 上級研究員
M.W.GUINAN ガイナン 米国ローレンス, リバモア国立研究所・凝縮固体及び分析科学部門・主任研究員, 上級研究
守屋 健 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40029525)
福島 博 広島大学, 工学部, 助手 (70156769)
桐谷 道雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (70033826)
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研究概要 |
金属の物理定数を極めて正確に計算再現できる挿入原子法(EAM=Embeddeb Atom Method)多体ポテンシャルを組み込んだ米国共同研究者開発の分子動力学法コンピユーター・コード DYNAMO(Ver8.2)及び MOLDY-CASK code を用いて中性子照射した金属材料の損傷形成の動的な過程を計算した。多くの得られた結果の中で特に注目すべきは(1)中性子照射損傷にて最も重要か損傷欠陥であるボイド形成の原子レベル動的機構を初めて明らかにした。(2)損傷組織発達に重要な因子となる微小格子間原子集合体の造及びこれらの動的な振る舞いを明らかにした。この様な振る舞いは従来の知識では予想されないものである。我々が独自に開発した極低温にて中性子照射した試料のクライオ・トランスファー電子顕微鏡観察法によりこの様な計算された振る舞いは実験的に確認された。ボイド形成機構に関しては tri-vacancy(3V-sft)のDamask-Dienes構造への援和がボイドになるか転位構造の潰れた構造になるかの決定に大きな役目をはたしている事を明らかにした。この様な潰れを阻止してボイドに成長する為には水素やヘリウム原子の様なガス原子が微小原子空孔に含まれる事が必要不可欠である。金属中の水素・ヘリウムの多体ポテンシャルの開発をスイスの研究者と共同で急遽はじめた。ボイド形成の計算結果を確かめる実験も日米共同で進展中である。これらのコンピューター・シミュレーション結果を基にして耐ボイド・スウェリング性にすぐれた実用材料の設計も可能になった。来年度,日米研究者共同で行い実験的にも調べる事になるであろう。中性子照射により発生する変位カスケード損傷のオーバーラップのシミュレーション計算が現在進行中である。これらの計算には理論的なサポートに加えて, CRAY-C90で月に CPU40時間使用しており日本での計算器利用では実行不可能である。
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