研究分担者 |
MIKHAIL M.Sh ロシヤ科学アカデミーシベリヤ支部, 陸水学研究所水文物理学部門, 主任研究員
MIKHAIL I.Ku ロシヤ科学アカデミーシベリヤ支部, 地球化学研究所, 所長
川那部 活哉 京都大学, 理学部, 教授 (60025286)
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
渡辺 秦徳 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20112477)
藤井 昭二 富山大学, 教養部, 教授 (30019236)
相馬 光之 国立環境研究所, 化学環境部 動物化学研究室, 研究室長 (00011552)
河合 崇欣 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (50109906)
井内 義郎 地質調査所, 海洋地質部, 主任研究官
MIKHAIL A.Gr ロシヤ科学アカデミーシベリヤ支部, 陸水学研究所, 所長
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研究概要 |
本年度は,バイカル湖において従来行われている研究の概要を理解し,それに続いて新しい共同研究を効果的に進めて行く計画を立て,現地でその計画の実施可能性を確かめることに重点をおいた。 物理分野では,ロシヤ側の従来の研究成果をまとめて,小冊子"Physical Limnology of Lake Baikal"を編集し,日本側で英文校正,印刷技術の面で援助している。 またアンガラ川河口で水温,流れの予備的観測を行い,次年度の湖水循環機構を対象とした国際共同観測の準備を進めている。 化学分野では,環境モニタリング手法の研究のために,バイカル湖およびその周辺の小湖沼群において,湖水や底泥の試料を採取して,その分析を行っている。また堆積物の分析から古環境の復元を図るために,地学分野と共同で湖底堆積物の採取とその試料の日本国内研究者への配分が行われ,分析成果が発表されてきている。 生物学分野では,夏に水深25m以浅の層にピコプランクトンが大発生して透明度が5mまで低下しており,その発生は窒素によって制限されることが示された。 また栄養塩や溶存酸素の分布の観測や食物網の解析のためのN,C同位体比の分析が行われている。 地学分野では,前述の湖底堆積物の試料の磁気分析から,気候変動に伴う堆積環境変化に関連があると思われる帯磁率の顕著な変化が見出された。またバイカル湖西岸の野外踏査で,プリモーリエ断層が従来のロシヤ側の知見と異なり,活断層であることが確かめられた。 以上,本年度の調査,研究は各分野別に遂行され,初年度であるために,予察的,試行的な段階に留まるものが多かったが,次年度以降は総合的な成果が挙がることが十分期待される。
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