研究分担者 |
LEONARD R Jo テネシー大学, 医学部, 教授
ROBEET E Sco テネシー大学, 医学部, 教授
JAMES E Hamn テネシー大学, 医学部, 教授
中路 重之 弘前大学, 医学部, 講師 (10192220)
對馬 健一 弘前大学, 医学部, 助手 (60236875)
土田 成紀 弘前大学, 医学部, 講師 (20142862)
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研究概要 |
本研究は日米両国の消化器癌における環境因子と癌遺伝子、その他の遺伝的因子に関する比較研究を行ない消化器癌の病因解明と、その予防に資することを目的とする。 平成4年度は、5月に研究代表者の吉田豊がテネシー大学に出向き、テネシー大学側研究者3名と今後の研究内容やその手順につき話し合った。その際、食生活、嗜好品アンケート調査の英語版、日本語版の原案の作成、及び癌遺伝子、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)の測定方法、分担等の打ち合わせを行った。また、平成5年1月に研究分担者である本学部の土田講師がテネシー大学を訪問し、これまでの研究の進捗状況等の相互確認・協議,情報・資料の交換ならびに次年度以降の研究展開上必要な打ち合わせを行った。 研究の方は、青森県、テネシー州の胃癌、大腸癌の発生率の調査、食生活、嗜好品アンケート調査はすでに実施の段階に入った。またGSTπ測定のためのサンプルの収集も現在進行中である。 また平成4年度は大腸ポリープの大きさとGSTπ発現の関係を免疫組織学的に検討した。その結果ポリープの直径が5mm以下では多くがGSTπが陰性だったのに対し,6mm以上では全例陽性であった。喉頭と咽頭の重層扁平上皮癌の約70%でもGSTπの発現をみたが、放射線照射後に残存した扁平上皮癌では陰性化することを明らかにした。今後GSTπの発現にかかわるがん遺伝子と同酵素の発現抑制にかかわる要因を検討し、日米の消化器癌症例で比較したい。 以上のように本研究は現在のところほぼ当初の目的通り進行している。
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