研究分担者 |
金 文洪 濟州大学校, 自然科学大学, 教授
呉 文儒 濟州大学校, 自然科学大学, 教授
方 益燦 濟州大学校, 海洋科学大学, 助教授
高 有峰 濟州大学校, 海洋科学大学, 教授
慮 洪吉 濟州大学校, 海洋科学大学, 教授
孫 泰俊 濟州大学校, 海洋科学大学, 教授
松野 健 長崎大学, 水産学部, 助教授 (10209588)
松岡 數充 長崎大学, 教養部, 教授 (00047416)
東 幹夫 長崎大学, 教養学部, 教授 (10039430)
茅野 博 長崎大学, 教養部, 教授 (80037176)
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研究概要 |
岩角地群落と照葉樹林を重点的に調査し,1)ダンギクは,日本で対馬と九州本島西部と平戸,五島列島の岩角地植物であるが,濟島,朝鮮半島南西部においても同様である,2)チョウセンヤマツジとゲンカイツツジは,日本では共に河辺岸壁や岩角地の植物でり,濟州島でも同様である.しかし朝鮮半島南西部では二次林の成要素であり,その生態は日本におけるヤマツツジに等しい,3)州島や朝鮮半島南部では照葉樹林の残存が少なく,既知のスダジ-ホソバカナワラビ群集に加えて,スダジイーヤブコウジ群集を州島や半島南西部で確認した. 濟州島,海南,珍島のショウリョウバッタ集団中のオスの第一精細胞の染色体にはいずれも過剰染色体が含まれていた.これらの剰染色体はすベて同一の型のもので,対馬,壱岐,上五島,平戸および九州本土と同一であった.この事実は,朝鮮半島と九州は氷期以前のある時期に接続していたことを示している. 濟州島の5河川からアユをはじめ8種類の淡水魚を採集した.こらはいずれも既報の種類である.朝鮮半島南部では3河川で採集試み,14種の淡水魚の生息を確認した.とくに各地で得たアユにいて,電気泳動法によって遺伝学的分析を行なった結果,韓国内もとより,日本の島嶼部や本土の両側回遊型のアユとの間にも遺的差異は認められなかった. 濟州島と五島間の海面水位の変動の解析を共同で行うことで五島江島で調査を開始した.さらに今後東シナ海で漂流板を流し,そ最終到着地をもとに対馬暖流の挙動を把握する実験に着手した.対馬暖流の成立過程を推定するために,男女海盆でピストンコアーで採集された柱状試料のパリノモルフ分析を行い,最終氷期最期には冷水塊が九州西岸に存在していた可能性を指摘した.
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