研究課題/領域番号 |
04101001
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立歴史民俗博物館 (1993-1996) 奈良国立文化財研究所 (1992) |
研究代表者 |
佐原 眞 国立歴史民俗博物館, 副館長 (20000466)
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研究分担者 |
松井 章 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 主任研究官 (20157225)
石黒 直隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00109521)
中野 益男 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30111199)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1996
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キーワード | 古環境復原 / 土壌微細形態学 / 残存脂質 / コプロスタノール / ガングリオシド / ELISA / ミトコンドリアDNA / P.C.R |
研究概要 |
研究最終年度までに遺跡試料の収集と観察,脂質分析,免疫試験及びミトコンドリアDNA解析により古代生活環境復原のための新手法は確立できた。その研究成果の主要なものについて報告する。 1.耕作土壌の土壌微細形態学的研究 水田遺構資料を採取し、イネの毛根の周囲に生じる水酸化第2鉄とマンガンによる斑紋を観察した。耕作土壌は水田土壌と判定できた。 2.トイレ遺構の形態学的研究法の確立 考古学的観点からトイレ特有の湿地土壌のフローテーション法の改良と開発を進め、トイレ遺構の形態学的比較と内容物の研究を行った。土壌微細形態学的研究により、糞石をポリエステルで固めて顕微鏡微片を作成して観察した。糞石内には食物繊維と魚骨が存在した。糞石の落とし主はイヌと判定された。同様の方法で、トイレ遺構も確定できた。 3.トイレ遺構・土壌の生化学的研究法の確立 トイレ遺構、土壌の土壌から哺乳動物に特有のコプロスタノールを分離し、コレステロールとの分布比からトイレ遺構と土壌墓を判定した。トイレの男女の使い分け,土壌墓の埋設者の性別の認定ができるようになった. 4.土壌墓・胞衣壷の免疫学的研究法の確立 土壌墓・胞衣壷の土壌及び土器片資料から血液型決定糖脂質群の古代ガングリオシドを分離した。これを酵素抗体(ELISA)法を用いて分析し、ヒトと判定出来るようになった。 5.日本在来犬・ブタ・イノシシのミトコンドリアDNA塩基配列の解析法の確立 原生の犬(日本在来犬73頭と外国犬21頭の計94頭)およびブタ・イノシシ(西洋ブタや日本イノシシなど計95頭)よりミトコンドリアDNA(DループとCytb)領域のデータベースを構築した。縄文時代から鎌倉時代の遺跡出土骨より-残存遺伝子を分解・増幅し、系統樹解析から古代家畜の遺伝的背景を明らかにした。
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