研究概要 |
反陽子へリウム原子の新しい精密分光法をさらに発展させるため二つの装置を開発し、9月から行われたCERNにおける実験に臨んだ。一つは遅延反陽子消滅時間スベクトルのアナログ計測のためのパルス波形の精密観側であり、他の一つは放射光子の検出用の分光器である CERNにおける実験は成功裡にすすめられ次のような成果が得られた。 1)新しいレーザー共鳴線が47Onmのところに発見され、準位(n,I)=(37,34)から(36,33)への転移と同定された。この共鳴線の時間分布からν=2準安定系列の性質が決定された。 2)パルス状ビームを用いた時間スペクトルのアナログ計測が成功し、パルスレーザーの印加時間を任意に設定することが可能となった。この方法により、レーザー共鳴・強度の時間分布がいろいろな媒質条件のもとで測定され、多くの知見を得た。 3)低温ヘリウムガス中の寿命のヘリウム原子密度の依存性が研究され、異常な振る舞いが発見された。 4)水素不純物を含むヘリウム媒質中の反陽子が異常な時間スペクトルを示すことが発見された。 5)3||eと4||eとの間の同位体効果が精密に測定された。 6)分光器を川いた光子検出法の開発が行われた。
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