研究課題/領域番号 |
04101002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山崎 敏光 東京大学, 原子核研究所, 名誉教授 (80011500)
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研究分担者 |
伊藤 泰男 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (40011150)
森田 紀夫 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (30134654)
早野 龍五 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30126148)
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キーワード | エキゾティック原子 / 反陽子 / 反物質 / レーザー分光 / CERN / LEAR / π中間子原子 |
研究概要 |
1.反陽子ヘリウム原子のエネルギー準位について、理論研究者と共同研究を進めた結果、実験値と数ppm以下の精度で一致するに至った。これによって、反陽子ヘリウム原子の構造については、ほぼ完全に理解できた。 2.反陽子ヘリウム原子の準安定状態の寿命が、微量の水素分子との衝突により短くなる現象を、レーザー共鳴を用いたタギング法により微視的に解明した。 3.上記の結果を応用し、準安定状態間の新しいレーザー共鳴を6本見つけることに成功した。 4.反陽子ヘリウム原子のレーザー分光装置の高分解化を行ない、(37,35)->D(38,34)遷移を高分解能で観測した結果、反陽子の軌道磁気モーメントと電子スピンの相互作用による新しい超微細構造を発見した。 5.上記を更に一歩進め、レーザーとマイクロ波の3重共鳴法によって反陽子ヘリウム原子の超微細構造の高精度測定をめざした開発を行なった。 6.鉛208原子核に重陽子を照射しヘイウム3を検出する手法により、鉛207原子核を周回する2p軌道にπ中間子が束縛された状態を生成し、その束縛エネルギーを測定することに成功した。π中間子原子のこのような深い束縛状態の生成・観測に成功したのは、これが初めてである。今後この手法により、原子核とπ中間子の相互作用解明に貴重なデータが収集できると期待している。
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