研究概要 |
A)可視・近赤外領域単一周波数レーザーシステムの整備・製作.B)紫外領域で、単一モード,波長自動選択,波長自動補正可能なレーザー計測システムの製作,C)光・磁場・分子線交差型真空装置の設計・製作,D)ドプラーフリー偏光分光,ドプラーフリー2光子吸収分光,ドプラーフリー光・光二重共鳴分光装置の整備・製作をおこない、次の様な研究成果を得た。 NaK分子のc^3Σ^+状態およびa^3Σ^+_<g+>状態についてドプラーフリー高分解能分光による研究を行ない、超微細構造を発見しその発現機構を解明した。さらに、励起状態間相互作用の影響を明らかにした。 ^<23>Na^<85>Rb分子のB^1II状態についてドプラーフリー偏光分光法による研究を行ない、高精度の分光定数を決定した。この際B^1II状態が、他の励起状態と強い相互作用をしている事を発見した。 光・磁場・分子線交差型真空装置を活用して、NO_2分子の593.3nmにある光吸収帯について、ドプラーフリー高分解能分光による研究を行なうと共に外部磁場効果について調べた。 Cs_2分子のD^1Σ^+_<u+>-X^1Σ^+_<u+>g遷移について、ドプラーフリー高分解能分光による研究を行うと共に、スペクトルの線強度分布とD^1Σ^+_<u+>状態の輻射寿命を測定し解析することにより遷移双極子モーメントとその核間距離依存性を明らかにした。さらに超微細構造を発見しその発現機構を解明した。 Cs_2分子のD^1Σ^+_<u+>状態は、D^1Σ^+_<g+>状態と(2)^3IIu状態とのスピン軌道相互作用と、(2)^3IIu状態と解離的ポテンシャルエネルギー曲線をもつc^3Σ^+_u状態とのコリオリ相互作用により前期解離する。前期解離する単位への線スペクトルには線幅の広がりが観測された。線スペクトルの線形と線幅の外部磁場による影響を測定しその機構を解明した。
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