研究概要 |
A)単一周波数レーザー光をEOモジュレーターでパルス光とし、狭線幅光励起(エネルギー幅30MHz以下)という特色を持つ高速過程分光装置を完成した。これにより1 ナノ秒の時間分解能で、励起分子の生成・消滅,反応・過渡現象等が観測可能となった。 B)光共振器によるドプラーフリー二光子励起分光の装置を改善改良し、ナフタレンのドプラーフリー二光子吸収スペクトルを測定した。 C)Cs_2分子の間接前期解離の生ずる特定の電子・振動・回転準位D^1Z+_u(v、J)に選択的 に光励起し、解離生成した原子の2P一2D吸収遷移スペクトルを高分解館レーザー分光 法で測定した。スペクトルの線形に興味ある結果が得られた。 D)Cs_2分子の直接前期解離の生ずるC^1II_u(v,J)準位にレーザー誘起蛍光を利用した3段階光励起で選択的に光励起し、高振動状態の基礎データを確定した。さらにスペクト ル線形を測定し、解離機構との関連を明確にした。 E)CS_2分子の15V31344.9バンドについて、ドプラーフリー高分解能レーザー分光 法で、ゼーマンスベクトルを測定し、磁場により誘起される吸収遷移を発見した。これ を解析しその発現機構を明らかにした。 F)外部電場のもとで高分解能レーザー分光の出来る様にし、CS_2分子のV一×遷移 について、ドプラーフリー・シュタルクスベクトルを測定した。これにより、励起状態 における電気双極子モーメントを決定すると共に、励起状態における摂動状態を明確にした。 G)KRb分子の低励起状厳について、ドプラーフリー光・光二重共鳴偏向レーザー分光法を用いて、電子・振動・回転スペクトルを測定する。これより、分光定数,ポテンシ ャル曲線を決定し、状態間相互作用を解明にした。
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