研究概要 |
A)可視領域の単一周波数レーザー光を外部共振器内に置いた倍波作成結晶により、近紫外域の高出力(40mW)で狭線幅(エネルギー幅3MHz以下)という特色を持つレーザー装置を完成した。 B)光共振器によるドプラーフリー二光子励起分光の装置を改善改良し、グリオキザ-ルのドプラーフリー二光子吸収スペクトルを測定した。 C)外部磁場下でCs_2分子の間接前期解離の生ずる単一の電子・振動・回転準位D^1Σ^+_u(v=46,J=54)に選択的に光励起し、解離生成した原子の_2P→_2D吸収遷移スペクトルを高分解能レーザー分光法で測定した。解離の方位磁気量子数と並進方向依存性を初めて明らかにした。 D)Cs_2分子の直接前期解離の生ずるC^1II_u(v,J)準位にレーザー誘起蛍光を利用した3段階光励起で選択的に光励起し、高振動状態の基礎データを確定した。さらにスペクトル線形を測定し、解離機構との関連を明確にした。 E)CS_2分子について、ドプラーフリー高分解能レーザー分光法で、ゼーマンスペクトルを測定し、磁場により誘起される吸収遷移やゼーマン分裂と線強度の種々の変化を発見した。これを解析しその発現機構を明らかにした。 F)外部電場のもとで高分解能レーザー分光のできる装置を開発完成し、CS_2分子のV-X遷移についてドプラーフリー・シュタルスペクトルを測定した。外部電場による準位間混合や励起状態における電気双極子モーメントを決定し、励起状態における摂動状態を解明した。 G)NaK分子の高励起状態について、ドプラーフリー光・光二重共鳴偏向レーザー分光法を用いて、電子・振動・回転スペクトルを測定した。これより、分光定数,ポテンシャル曲線を決定し、状態間相互作用や前期解離を見いだし、その機構を解明した。 H)ピラジン分子の低温分子線の進行方向に直角な方向から、波長可変単一周波数紫外レーザー光を照射し、励起スペクトルを測定した。さらに、その外部磁場の大きさ依存性を測定し、その機構を解明した。
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