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1992 年度 実績報告書

腫瘍細胞における細胞周期の制御と増殖阻害の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 04152021
研究機関千葉大学

研究代表者

斉藤 隆  千葉大学, 医学部, 教授 (50205655)

研究分担者 宮武 昌一郎  千葉大学, 医学部, 助手 (30239420)
キーワードサイクリン / G1アレスト / 増殖阻害 / 腫瘍T細胞 / Fas / アポトーシス
研究概要

1.腫瘍T細胞における増殖阻害とアポトーシス:腫瘍T細胞をT細胞レセプターを介して活性化することによって誘導される増殖阻害においては、まずG1期アレストが起こり、これに引き続きアポトーシスが誘導される。このことは、活性化に伴うG1期アレストは起こるが、アポトーシスを伴うわない変異株が分離できることからも支持された。
2.G1期アレストとG1サイクリン/cdcキナーゼ:腫瘍T細胞では、G1サイクリンの中でも、サイクリンC,C2,C3,Eが発現しており、サイクリンD1は発現していないことが判明した。これらのG1サイクリンの中では、サイクリンEが細胞周期に伴って、顕著にその発現を変化させた。これらと会合しているcdc2系キナーゼにおいては、cdc2および、cdk2両者とも細胞周期に伴って変動した。活性化に伴う増殖阻害が誘導されると、G1サイクリンのうち、サイクリンE,D3およびcdk2キナーゼのmRNAが顕著に減少し、D2は逆に上昇した。これらの変化が、G1アレストを引き起こすと考えられ、サイクリンE,D3,cdk2を恒常的に高発現した場合増殖阻害が起こらないか調べるため、これら遺伝子の導入T細胞株およびこれらG1サイクリンに対する抗体も作製したので今後解析する予定である。
3.活性化によるアポトーシスとFas抗原によるアポトーシス:Fas抗原を抗Fas抗体で刺激することによりアポトーシスが誘導されるが、腫瘍T細胞で活性化されることによって起こる増殖阻害、アポトーシスとの関係を調べるためFas抗原を発現させた腫瘍T細胞を作製した。T細胞レセプターを介する刺激によるアポトーシスは、G1アレストに続いて起こり、サイクロスポリンAで阻害されるが、Fas抗原を介して誘導されるアポトーシスは細胞周期に依存せず、サイクロスポリンAによっても阻害されず、この両者のアポトーシスが異なる機序で誘導されていることが判明した。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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