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1992 年度 実績報告書

細胞の腫瘍化における3量体G蛋白質の変異の役割

研究課題

研究課題/領域番号 04152028
研究機関東京大学

研究代表者

宇井 理生  東京大学, 薬学部, 教授 (50001037)

研究分担者 星野 真一  東京大学, 薬学部, 助手 (40219168)
榎本 武美  東京大学, 薬学部, 助教授 (80107383)
キーワードG蛋白質 / 癌転移 / 人為的変異導入法 / ADP-リボシル化 / 遺伝子 / 発現制御 / 百日咳毒素
研究概要

(I)副腎皮質や卵巣の腫瘍においてGi2αの変異が報告されている179番ArgをCysに置換した変異体を作製し、Arg残基の変異がGi2蛋白質の機能に及ぼす影響について検討した。組み換え体蛋白質は大腸菌を用いて大量に調製した。その結果、IAPによるADP-リボシル化の基質活性は、正常Gi2α(WT)と変異型Gi2α(R179C)で全く違いはみられなかったが、GTP水解速度(turnover number)が著しく低下していることが明らかになった。このような見かけの水解速度低下の原因としては、(I)Gi2αが本来有しているGTP水解活性(Kcat)の低下と(2)Gi2αが本来有しているGTPの解離速度の低下の二つが考えられるが、R179Cでは両者が共に低下し、特にkcat自体が著しく(2ケタ以上)低下していることが証明された。βγサブユニットとの会合に関しては、R179Cとの間に顕著な差は見られなかった。また、R179Cにおいて受容体との共役能が消失するようなことはなかった。このように、Gi2αの179番Argの変異は、主としてGTP水解活性の著しい低下を引き起こし、Gi2αが常に活性型(GTP結合型)に保たれていることが、腫瘍化に至るメカニズムのひとつとして重要な位置を占めるものと考えられた。
(II)Gi2蛋白質の発現量と癌転移との相関が示されているメラノーマ細胞において、G蛋白質遺伝子の発現を制御する転写因子とその結合DNA領域を検索する目的から、Balb/cマウス遺伝子ライブラリーよりGi2α遺伝子のクローニングを行った。その結果、単離した遺伝子の5^1非翻訳領域約600bpの塩基配列を決定し、4つのGCboxと2つのCAATboxの存在を明らかにした。また、AP2結合部位のコンセンサヌ配列も存在することから、cAMPやCキナーゼ系を介する発現制御機構の存在が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ozawa,K. 他: "Mapping of the human GSPT1 gene,a human homolog of the yeast GST1 gene,to chromosomal bard 16P13.1." Somat,Cell Mol.Genet.18. 189-194 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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