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1992 年度 実績報告書

転写因子の代謝と転写制御

研究課題

研究課題/領域番号 04152029
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 紘一  東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (80011948)

研究分担者 反町 洋之  東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (10211327)
富岡 茂雄  東京大学, 応用微生物研究所, 教務職員 (90159054)
平井 秀一  横浜市立大学, 医学部, 助手 (80228759)
キーワードカルパイン / 転写因子 / ブロテアーゼ
研究概要

発癌過程で見られる転写活性の上昇の主因は転写因子の量的な上昇とその活性化であろう。量最な上昇にはプロテアーゼの活性の低下や転写因子の質的な変化によって生じるプロテアーゼに対する被分解能の変化が関与することも十分考えられる。事実、細胞内のカルパイン活性を上昇させると、C-Junによる転写の活性化がなくなり、カルパインのレベルを下げるとC-Junに依存する転写の活性化は著しく上昇した。そこで、ここではカルパインによる転写因子の分解にまとをしぼり、カルパインの研究を行った。
これまで筋肉のみに特異的にメッセージが発現しているカルパインの新しい分子種、p94を解析している途中で、p94が細胞核に局在することが判明したのでこの点をさらに検討した。p94には通常のカルパインにはない挿入配列が2ヶ所に存在する。通常のカルパインのcDNAは細胞で発現し、カルパインタンパク質ができるが、p94ではmRNAは発現するが、タンパク質は検出できない。その理由を明らかにするため、p94に存在する挿入配列IS2を削除したところ、タンパク質として発現するようになった。活性中心のシステインを変異させたものをはじめ多くの変異DNAを作って発現させた結部、IS2には核移行シグナルとタンパク質の分解を規定するシグナルがあることがわかった。p94は通常細胞核に存在するが、代謝回転が速くほとんど検出できない。活性中心のCをAに変えたものは細胞核に安定に発現するので、この分解は自己触媒的におこるものと思われる。p94は骨格筋の細胞核に発現するので、筋細胞の分化、発生に関与するものと予想される。カルパインがJunやFosを切断して転写調節を行うことを考えると、p94は筋肉に特異的なMyoDなどの転写因子を切断し、筋細胞の発生・分化を調節している可能性が強く、引続き検討している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hata,A.,Ohno,S.& Suzuki,K.: "Transcriptional activation of the genes for the large subunit of human m-calpain by 12-0-tetradecanoyl-phorbol-13-acetate." FEBS Lett.304. 241-244 (1992)

  • [文献書誌] Sorimachi,H.& Suzuki,K.: "Sequence comparison among muscle specific calpain,p94,and calpain subunits." Biochim.Biophys.Acta.1160. 55-62 (1992)

  • [文献書誌] Sorimachi,H.,Toyama-Sori-machi,N.,Saido,T.C.,Ka-wasaki,H.,Sugita,H.,Mi-yasaka,M.,Arahata,K., Ishiura,S.& Suzuki,K.: "Muscle specific calpain,p94,is degraded by autolysis immediately after translation,resulting in disappearance from muscle." J.Biol.Chem.268. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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