研究課題/領域番号 |
04152057
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
直江 知樹 名古屋大学, 医学部, 講師 (50217634)
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研究分担者 |
加藤 芳郎 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (20152754)
福谷 久 名古屋大学, 医学部, 医員
久保 和明 名古屋大学, 医学部, 医員
大野 竜三 名古屋大学, 医学部, 助教授 (70093002)
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キーワード | 微量残存腫瘍 / 遺伝子マーカー / 免疫グログリン / 超可変部遺伝子 / 急性リンパ性白血病 / 急性前骨髄球性白血病 / PCR / 治療効果 |
研究概要 |
[目的]形態学的方法では検出不可能な完全寛解期の微量残存腫瘍細胞を、分子生物学的に検出し、完全寛解後の地固め、強化療法の治療効果の検討や予後との関連を解析する。 [成果] 1。免疫グロブリン超可変部領域CDR3に相当するDNAを、B細胞系急性リンパ性白血病(ALL)の分子マーカーとし、4例について、残存白血病の同定、定量を行った。また、急性前骨髄球性白血病(APL)に認められるPML-RARキメラ遺伝子をAPLのマーカーとして、14例についてプロスペクティブスタディを行った。 2。残存腫瘍の検出感度は、各々10^<-6>、10^<-5>であった。寛解導入療法後は、2-log程度の白血病細胞の減少にしかすぎないが、地固め療法により、残存腫瘍の減少が観察された。ALL自己移植例で、CD10抗体によるパージングにより、移植残存腫瘍の減少が確認された。3。残存腫瘍が検出限界以下となるのは、化学療法開始後4カ月ないし1年以上と、症例によりさまざまであった。APLで4カ月目に残存腫瘍が検出不能となった6例では、全例1年以上寛解を持続しているが、検出された3症例ではすべて1年以内に再発した。 [所見] 1。白血病特異遺伝子マーカー用い、微量残存腫瘍の検出、半定量が可能であり、これまで臨床成績以外に科学的評価法のなかった地固め、強化療法の有効性を確認できた。 2。APLのプロスペクティブスタディの結果、残存腫瘍の減少と予後には相関が認められた。 3。ALL再発時、CDR3シークエンスの変化する場合があり、再発予知には限界があると考えられた。
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