研究課題/領域番号 |
04152067
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阿部 光幸 京都大学, 医学部, 教授 (00025587)
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研究分担者 |
増永 慎一郎 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (80238914)
永田 靖 京都大学, 医学部, 助手 (10228033)
平岡 真寛 京都大学, 医学部, 助教授 (70173218)
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キーワード | 磁性流体 / 誘導加温 / 温熱塞栓療法 / 温熱療法 |
研究概要 |
本研究の目的は、血管を通して癌組織に注入した磁性流体デキストランマグネタイト(DM)含有塞栓物質を、交番磁場中で発熱させることにより、従来困難とされていた深部癌の選択的な温熱・塞栓治療を行なうことである。著者らはDM含有血管塞栓物質として、油性造影剤リピオドールとの懸濁液および可溶性デンプン微粒子との浮遊液を開発し、DMの発熱能がこれらの配合によって損なわれないことを確認した。次に、これらの材料を用いて、家兎の腎動脈を塞栓し、外部から交番磁場を印加したところ、腎に限局して10℃/10分以上の温度上昇が見られ、腎組織の鉄量測定により、組織1gあたり5mg鉄相当のDMがあれば、現在の磁場強度(最大300エルステッド)の下で、有効な加温を行ない得ることが示された。これらの結果は、現在既に臨床で使用されている手技の組み合せによって深部癌の選択的温熱治療の可能性が開けたという点で意義深い。しかしながら、経動脈的に注入されたDMの分布を経時的に調べたところ、現在使用しているDM含有血管塞栓物質では、注入後時間以内に肝・脾・骨髄などの網内系組織を中心に、DMの標的臓器以外への分布が見られている。これは、リピオドールや可溶性デンプン微粒子の塞栓効果が一過性であり、またDM自体がサブミクロンの超微粒子であることによる。1回の注入で複数回の加温を行なうためには、より徐放性のDM含有塞栓物質を開発する必要がある。
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