研究課題/領域番号 |
04152070
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西庄 勇 大阪大学, 医学部, 助教授 (10228182)
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研究分担者 |
倉橋 浩樹 大阪大学, 医学部, 助手
有田 憲生 大阪大学, 医学部, 助手 (80159508)
高井 新一郎 大阪大学, 医学部, 教授 (80028513)
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キーワード | コスミドマーカー / 22番染色体 / LOH / RFLP / 癌抑制遺伝子 / 髄膜腫 / 副腎褐色細胞腫 / 大腸癌 |
研究概要 |
1.コスミドマーカーの単離 ヒト第22番染色体のみを含む雑種培養細胞のDNAを用いてコスミドライブラリーを作製した。ヒトDNAの繰り返し配列を指標として、ヒトDNA断片を含むコスミドクローン2000個を選別し、グリセリンストックを作製した。この内の191クローンを解析した内訳は、多型性を検出するもの63(33%),多型性を検出するが対応するアレルが明らかではなく、サブクローニングを要するもの17(9%),多型性は検出しないがシングルコピーであるもの88(46%)であった。多型性を検出するものは、検出するアレルの長さやその頻度を明らかにした。この内の5クローンはVNTRタイプの多型性を示した。 2.コスミドマーカーのマッピング スウェーデンのDumanski博士より22番染色体を5つの領域に分別可能な雑種細胞のパネルを分与された。多型性を示すクローンを優先的にマップしており、既に52クローンのマッピングが完了した。 3.各種腫瘍組織におけるLOHの検討 大腸癌組織およそ100例を収集し、DNAを抽出した、その内の35例についてLOHを検討したが従来の報告より22番染色体の欠失頻度は低く、17%程度である副腎褐色細胞腫では、17例中の9例でLOHが検出され、22番染色体上の褐色細胞腫の発生・進展に関与する癌抑制遺伝子が存在することが確実になった。さらに22例を解析し、1番染色体短腕上でのLOH(55%)との関係を調べたところ、褐色細胞腫の発生には複数の癌抑制遺伝子が関与する多段階発癌説が当てはまるものと考えられた。ヒト髄膜腫は40例の収集を完了し、LOHの解析を開始したところである。
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