研究概要 |
1.CSK発現による発癌抑制;花房秀三郎教授との共同研究により、ラット3Y1細胞がv-crk,c-srcの過剰発現により癌化されるがcsk遺伝子を導入すると、高率に復帰変異体の得られることが証明された。すなわち、c-crk遺伝子産物の存在下では過剰に存在するp6-^<c-src>の活性が上昇して細胞を癌化させるが、CSKの過剰発現によってv-crk遺伝子存在下でもp60^<c-src>の蛋白質チロシンキナーゼ(PTK)活性の上昇が抑制され、その結果細胞形態が復元することが示された。 2.csk遺伝子の破壊実検;csk遺伝子欠換マウスは胎生11日目で致死となったため、癌化を証明するには至らなかったが、胎児組織のSrcファミリーのPTK活性が著しく高まること、その結果細胞内チロシンリン酸化蛋白質のレベルが上昇することが明かとなった。 3.lck遺伝子導入マウスへのcsk遺伝子導入;lck遺伝子導入によって誘導したT細胞の癌化を、CSKの発現によって抑制する実験をおこなっているが、遺伝子導入には成功しているもの、末だ結果は得られていない。 4.チロシンホスファターゼの分離;現在までに報告されていない構造をもつ3種の酵素の分離に成功した。これらがSrcファミリー遺伝子産物のC末端のリン酸化チロシン機基に特異的に作用するか否かについては末だ明かにしていない。
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