研究概要 |
細胞のガン化の機構を理解するためには、正常細胞の染色体DNA複製開始の制御機構の理解が重要である。本研究では、先ずヒト染色体DNA複製開始の制御機構解析のモデルとして酵母を用い、酵母細胞周期G1及びG1/S期に必要と考えられるCDC7,DBF4,CDC5及びCDC15温度感受性遺伝子のヒトhomologsを単離することを試みた。出芽酵母cdc7,dbf4,cdc5及びcdc15突然変異株を高温度(非許容)下で増殖させうるヒトcDNA遺伝子の探索を行った。現在まで数種のヒト培養細胞より調製したcDNAライブラリーをスクリーニングしたが、何れの変異株をも高温で増殖させ得るcDNAクローンは得られなかった。そこで、研究方法を変え出芽酵母より分裂酵母の方がよりヒト細胞に近いことから、先ず分裂酵母のこれらの遺伝子のhomologsを単離しその後ヒトのhomologを単離すべく、現在検討中である。
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