研究課題/領域番号 |
04152113
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
清水 信義 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50162706)
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研究分担者 |
高柳 淳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80245464)
蒲生 忍 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90122308)
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キーワード | 細胞増殖シグナル伝達 / アンチセンス発現ベクター / 80K蛋白質 / 改変型MTプロモーター / Bacurovirus / 遺伝子解析 / 部位特異的変異導入法 |
研究概要 |
増殖因子によって膜レセプターのチロシンキナーゼを介するシグナル伝達系が活性化されると、PI代謝回転の促進、PKCの活性化、80K蛋白のリン酸化などが観察され、続いてc-fos、-junなどの転写が促進されその産物がさらに別の遺伝子の転写促進に関与する。従って80K蛋白はシグナル伝達系と転写制御系の間の重要な蛋白質と推定される。我々はこの80K蛋白を精製して2つの分子種(80K-H/-L)を見出しそのcDNAを各々クローニングして塩基配列を決定した。80K-L遺伝子の発現は特に脳・神経組織で高く神経のシグナル伝達にも重要な役割を果していると考えられ、両遺伝子の発現パターンも組織によって異なるので2種の蛋白質は役割分担していると思われる。一方ソーティングした染色体を用いて80K-H遺伝子を第19染色体に、80K-L遺伝子は第6染色体にマップした。80K-Lの場合cDNAの3'非翻訳領域をプローブニすると第21染色体にもシグナルが検出され相同配列の存在が示唆されたが、この領域は牛MARCKScDNAでも翻訳領域以上に保存在性が高い領域てあり、mRNAの安定化など何らかの機能を担っていると推測される。改変型MTプロモーターによる発現抑制に関しては安定な形質転換体ではZn^<2+>による誘導がみられず改良を加えている。さらにアンチセンスの恒常的発現ベクターも作製したのでその導入を計画中である。一方アンチセンス発現ベクターの受容細胞株として、Ca-9-22細胞からEGF抵抗性のCRE-1、TPA抵抗性のCaT、さらにTPA・EGF二重抵抗性の変異株1B6、13A5を単離した。また部分ペプチドを作製し抗80K-L抗体の調製を試みたが力価の高い抗体が得られず、Bacurovirusにより発現系の構築を試みている。さらに80K-L蛋白の機能と構造の関係を調べるため、部位特異的変異導入によって、非ミリスチン酸化変異遺伝子、非リン酸化変異遺伝子、各種欠失変異遺伝子の作製を進めている。
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