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1992 年度 実績報告書

細胞の増殖制御および癌細胞の分化における情報伝達系のクロストーク機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04152115
研究機関昭和大学

研究代表者

中谷 一泰  昭和大学, 薬学部, 教授 (40053855)

研究分担者 中条 茂男  昭和大学, 薬学部, 助教授 (50119236)
キーワード増殖制御 / 分化 / 情報伝達 / クロストーク / 白血病細胞 / 分化誘導
研究概要

本研究では、白血病細胞の分化誘導に於ける情報伝達系のクロストーク機構を明らかにする目的で、種々の分化誘導剤がヒト白血病細胞の情報伝達系、癌遺伝子の発現、細胞周期に与える影響を調べ、分化誘導剤を二つのグループに大別した。第一のグループは、レチノイン酸やダイゼイン等で、これらは細胞周期のG1期からの移行を阻害した。プロテインキナーゼAおよびプロテインキナーゼCの活性を増加させ、カゼインキナーゼ2の活性を減少させた。しかし、cdc2活性には変化を与えなかった。第二のグループは、カンプトテシンやVP16等のトポイソメラーゼの阻害剤やブファリンで、これらは細胞周期のG2/M期からの移行を阻害した。プロテインキナーゼに対しても、第2のグループは第1のグループとは異なった作用を示し、プロテインキナーゼAおよびプロテインキナーゼCの活性を減少させ、cdc2活性を上昇させたが、カゼインキナーゼ2の活性には変化を与えなかった。癌遺伝子であるc-mycに対しては両グループ共にその発現を減少させた。従って、白血病の分化誘導には少なくても二つの情報伝達系があることが明かとなった。種々のヒト白血病細胞に対し、第一のグループの誘導剤と第二のグループの誘導剤で処理すると分化誘導作用の相乗効果が見られることから、第一のグループによる情報伝達系と第二のグループによる情報伝達系はクロストークしていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 中谷 一泰: "Topoisomerase inhibitors have potent differentiaion-inducing activity for human and mouse myeloid leukemia cells." Jpn.J.Cancer Res.82. 184-191 (1991)

  • [文献書誌] 張 麗莎: "Induction by bufalin of differentiation of human leukemia cells HL60,U937,and ML1 toward macrophage/monocyte-like cells." Cancer Res.52. 4634-4641 (1992)

  • [文献書誌] 萩原 民雄: "Specific phosphorylation of the acidic central region of the N-myc protein by casein kinase 2." Eur.J.Biochem.209. 945-950 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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