研究課題/領域番号 |
04201116
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 裕 東京大学, 地震研究所, 教授 (40012900)
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研究分担者 |
塩野 計司 東京都立大学, 工学部, 助手 (30128574)
村上 ひとみ 北海道大学, 工学部, 助手 (10201807)
岡田 成幸 北海道大学, 工学部, 助教授 (50125291)
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キーワード | 地域地震防災計画 / 直後対応 / 対策資源 / 数理計画法 / LP法 / 地震被害調査法 / サンプル調査法 / ベイズ統計 |
研究概要 |
本研究の目的は現有地域地震防災計画のうち、特に地震に引き続く直後対応について、その合理的発動に注目したオペレーションシステムモデルの構築におかれた。この目的達成のため、主要課題を以下のいくつかに絞り研究を実施した。 (i)わが国の地域地震防災計画に関する現状分析:地震発生直後の緊急・応急対応問題を中心に、対象項目・重要性(優先度)・実施可能性等を震度(被災状況)および地域がもつ防災対策資源量(人,物)との関係で分析し、問題点の抽出を行った。 (ii)オペレーションモデルの構成:「発災対応オペレーションシステムモデル」を構築し、人口100万の中核都市を対象に事例研究を進め、適合性を検証した。中心となる数理計画手法はLP法である。 (iii)被災状況調査の合理化手法の開発:地震直後の混乱期に被災状況の現地調査を合理的に実施するための具体的方法を既存のサンプル調査法にベイズ統計を導入することで達成し、有用性をシミュレーション的に確認した。 すなわち、本研究は地震災害低減への(長・短期の)防災対策計画のうち、特に地震発生直後の緊急対応の在り方に注目し、現有計画について問題点を科学性・合理性の観点から分析・抽出し、これらの中から特に重要かつ未解決にあると思われるいくつかの課題を取り上げ、集中的に考察し、改善策をオペレーショナルモデルの形で実際的に提案することを試みたものであって、地域の地震時危機管理システムを一層合理的に再構築するための橋渡し的研究として位置付けられるべきものである。
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