研究課題/領域番号 |
04201119
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
福岡 捷二 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30016472)
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研究分担者 |
成田 彰次 (財)日本不動産研究所, コンサルタンツ部, 主任研究員
木下 誠也 (財)国土開発技術研究センター, 調査第一部, 次長
栗城 稔 建設省土木研究所, 河川部, 室長
吉川 秀夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10016230)
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キーワード | 洪水氾濫 / 既成市街地 / 破堤 / 超過洪水 / シミュレーションモデル / 氾濫模型実験 / スーパー堤防 |
研究概要 |
既成市街地は密集家屋とその間を網目のように連なる道路群で特徴づけられる。このような既成市街地を貫流する河川の堤防が破堤した場合には、氾濫水は道路を勢いよく流下していく。このような流域の氾濫水の挙動を精度よく見積ることは氾濫時の情報の伝達、避難を確実にするために特に重要である。 本研究の主要な成果は次のように要約される。 (1)開水路ポンドモデルに基づく利根川流域の氾濫計算結果を用い、鉄道道路、堤防などの大型盛土構造物と危機管理用樋管との組合せによる利根川氾濫水の排除の効果と実現の可能性について検討した。 (2)既成密集市街地として浅川流域を選び、東工大水工実験室内に住宅群、道路網などを取り込んだ1/100大型模型を製作し、密集市街地における氾濫流の挙動を詳細に検討した。特に氾濫水が道路を流れるときの流速分布、流量分布などを測定しこれより住宅群と道路網の配置の違いによる粗度係数の値の変化を調べ、この結果を二次元平面計算モデルの精度向上に活用した。 (3)一般曲線座標系で表現した二次元平面モデルを浅川の氾濫模型範囲に適用し、この計算結果を(2)で述べた大型実験結果と比較検討し、計算モデルの精度向上および実用化を図った。また計算格子のなかに占める住宅面積の割合の違いが各計算格子の粗度係数の値にどのように反映させるのが適切かを模型実験より見いだした。最後に氾濫流の制御方策を模型実験計算モデルによって見いだし、より一般的な氾濫地形に対しても利用できるものにした。 (4)河川沿いの都市再開発事業と一体的に行うスーパー堤防上の街づくりを大型模型実験によって検討し、いくつかの知見を得た。超過洪水時に堤防上の越流を許容させながら治水上、環境上優れた街づくりを狙いとしているところから、スーパー堤防上の道路の構造と配置、樹林帯と公園の配置、建物群の構造と配置など越流時の被害の小さい街づくりの検討を行った。
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