研究課題/領域番号 |
04201128
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安藤 雅孝 京都大学, 防災研究所, 教授 (80027292)
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研究分担者 |
渋谷 拓郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (70187417)
飯尾 能久 京都大学, 防災研究所, 助手 (50159547)
伊藤 潔 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80022721)
浜田 信生 気象庁気象研究所, 研究室長
荒牧 重雄 北海道大学, 理学部, 教授 (60012895)
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キーワード | ピナツボ山 / 1990年フィリピン地震 / 地殻応力変化 / ダイク / 火山体構造 / 人工地震 / タール火山 / 反射面 |
研究概要 |
フィリピンルーフン島のピナツボ火山は、フィリピン地震(1992年7月,M=7.8)の11カ月後に噴火した。ころの地震と噴火の距離は150kmと近い。フィリピン地震発生による周辺部分の応力変化を計算してみると、ピナツボ山付近では主圧縮軸方向はNEE-SWW、体積歪は負となった。噴火直前にあらわれた噴気孔の並び等を考えると、上の計算どおりの結果と言えよう。このように火山は応力変化の影響を最も受けやすいもので、地殻応力の指標ともいえよう。もちろん、火山を応力指標とするためには、火山の構造を充分に知っておく必要がある。 当研究では、現在噴火の可能性が高いと考えられているタール火山の構造調査を行い、地殻応力との関連および次の噴火の基礎資料を得ることを第一の目標とした。タール火山は、マニラの南60km、ピナツボ山から150kmに位置する安山岩質の火山で、1965年に大噴火を起こしている。最近地震活動が高まり噴火が懸念されている。総勢8名の観測隊が、フィリピン火山地震研究所の10名と協力して、タール火山カルデラで人工地震観測を行った。発破点はカルデラの西部に置き、深さ50mの孔を2本掘削し、東岸の30点に地震計を設置し観測を行った。この人工地震観測では、屈折波からマグマ溜りの位置・大きさを明きらかにし、反射波から部分溶融体を検出する予定であった。現在解析が進行中であり、結果は2カ月の内に明きらかにされる。予備的な考察では、タール火山の下10km付近に強い反射面が存在する可能性が高いとされている。 上記の構造解析を通し、火山体にかかる応力の変化を与えた場合に、噴火が進む方向か、反対に可能性が下る方向が予測できる。付近に大地震や大噴火が起きた場合に適切に対処ができ、災害対策に有効な情報を与えるものと思われる。
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