研究課題/領域番号 |
04201221
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村本 嘉雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (50027223)
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研究分担者 |
神田 佳一 明石工業高等専門学校, 助手 (60214722)
大久保 賢治 京都大学, 防災研究所, 助手 (50135612)
藤田 裕一郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (90027285)
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キーワード | 河岸侵食 / 護岸 / 護床工 / 土砂堆積 / 数値解析 |
研究概要 |
洪水時における河岸侵食と土砂の氾濫堆積過程について基礎実験と数値解析に基づく考察を行うことともに、現地河川の調査・観測資料の解析ならびに河道の洗堀や河岸侵食の防護土に関する基礎研究にも重点をおき,これまでの成果を含めてその応用を図った。まず、護岸の基礎実験として、法勾配1割の台形断面水路を用いて側壁の粗度が滑面からイボ型粗面に急変する場合の流速と乱れの分布を詳細に測定し、時間平均流速の内部境界層が流下距離の4/5乗に比例して発達し側壁付近の流速が急激に減少すること、乱れ強度の増大は平均法速ほど顕著ではないが、法面から水路中央へ遷移することなどを明らかにした。また、護床工下流部の底面せん断応力の急変に伴う洗堀過程について基礎完詮からその特徴を考察するとともに、底面せん断応力の時間変化と非平衡流砂過程を考慮した数値解析を行い、動的法堀過程に対する遍用性を示した。一方、淀川水系宇治川低水路における河岸侵食について、既往の調査・観測結果に新たな測量・水理資料を加えて侵食過程の支配要因を検討するとともに、河岸斜面の安定解析を河道水住と河岸地水住の条件を変えて河岸高へ異なる断面について行い、河岸の比高が河岸侵食過程に大きな影響を与えることを指摘した。また、バングラデシュ主要河川の河岸侵食について、1992年のランドサット拡大写真から流路形態と砂州の影響を追跡検討した。さらに、上述の護床工下流部の河床変動について加圧川で完測を繰り返し、実験結果との対応を明らかにしている。つぎに、洪水氾濫に伴う地形変動については、河道の片側にモデル化した氾濫原を設置し、河道と氾濫原との間に高低差がある場合とない場合の流速分布ならびに土砂堆積・侵食分布の差違を各種の水理条件下の数値解析によって明らかにした。これによって既往の洪水・土砂氾濫に関する調査結果の特徴を類型化できる。
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