研究課題/領域番号 |
04202135
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
萩島 哲 九州大学, 工学部, 教授 (70038090)
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研究分担者 |
黒瀬 重幸 八代高専, 教授 (20153413)
菅原 辰幸 広島工業大学, 助教授 (60104072)
佐藤 誠治 大分大学, 工学部, 教授 (70113412)
大貝 彰 九州大学, 工学部, 助手 (10160433)
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キーワード | 日韓比較 / 地方都市 / 市街地拡大 / 土地利用規制 / グリーンベルト |
研究概要 |
本研究は、九州と韓国の地方都市(両国それぞれ3都市)をケーススタディとして、市街地拡大化と土地利用規制制度の指定実態の比較分析を行い、市街地形成からみた両国の規制制度の指定の特徴を明かにする。 (1)日本の都市では、1960年代に比較的高密であった中心市街地は、70年代以降その密度を低下させ、郊外で20〜40人/haの低密度市街地を拡大形成している。韓国の都市は、都心での高密さを維持しつつ、それを核に高密度な市街地を拡大形成している。日本の市街地は、鉄道と道路の交通ネットワーク沿いに形成拡大され、一方、韓国では市内の自動車交通への依存は低く、市街地形成に寄与していない。 (2)韓国の開発制限区域の指定目的は、都市の無秩序な平面的拡散の防止、農耕地及び自然環境の保全、隣接都市との連担化防止等である。都市開発は一切制限され、一旦指定されると永久不変を原則とする。実際にこれまでに区域の拡大はあっても、指定解除がなされた例は存在しない。日本の調整区域とその性格は大きく異なる。 (3)区域・地域別の計画人口あたりの原単位をみると住居系地域では日本の104〜152m^2/人に対し、韓国は25〜40m^2/人、商業系では日本の15〜19m^2/人に対して3〜4m^2/人、であり、韓国の都市が狭く指定されていることがわかる。狭い地域指定よりコンパクトな高密度市街地形成を意図していることがわかる (4)区域・地域の空間配置では、北九州市と大分市の調整区域は、山間部を中心に配置され、市街地化が困難な地区に指定されている、一方蔚山市では、開発制限区域が幅数kmで市域を取り囲み、さらにその内側で工業地と市街地を包み込むように緑地地域が配置されており、市街地の拡大防止のために開発制限区域、緑地地域が農地等の平地を含めて指定されている。
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