研究課題/領域番号 |
04203103
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 篤之 東京大学, 工学部, 教授 (50011135)
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研究分担者 |
大橋 弘忠 東京大学, 工学部, 助教授 (80185355)
松原 望 東京大学, 教養学部, 教授 (20000185)
近藤 駿介 東京大学, 工学部, 教授 (90011098)
鈴木 胖 大阪大学, 工学部, 教授 (20028997)
黒田 昌裕 慶応義塾大学, 商学部, 教授 (50051636)
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キーワード | 炭酸ガス税 / 経済成長 / 一般均衡モデル / 技術革新 / D / 3He核融合 / 圧縮空気エネルギー貯蔵 / マクロ・エネルギー・モデル / 構造的変化 |
研究概要 |
炭素税によるCO_2排出量安定化政策が日本経済の長期的成長パターンに与える影響を解析する動学的一般均衡モデルを完成した。また、CO_2排出量抑制の経済的影響を評価するシミュレーション・モデルを開発し、炭素税導入に関して分析を行った結果、課税抑制は市場メカニズムが作用しまた実施が容易であることから有効であることが明らかになった。課税のみで1990年水準に抑制するためには約25,000円/ton-Cの税率が必要である。次に、エネルギー技術開発の目標、エネルギー源の開拓、エネルギー源の地理的偏在の克服、エネルギーの高効率利用、エネルギー供給と需要のミスマッチ解消、環境保全という課題別に分類し、エネルギー・システムを構成する要素技術を体系化した。具体的例として、固有安全特性に優れたシステムとして期待されるD/He-3燃料サイクルを用いたトカマク型核融合炉の工学的設計可能性を検討するとともに、電力貯蔵が単なる設備有効利用のほかにどのようなメリットをもつかを分析し、将来の電力化時代における電力貯蔵技術の有用性を示した。さらに、互にトレード・オフの関係にある環境保全と経済成長の両立性の問題についてどのような定式化が可能であるかを示すため環境ストックと経済厚生をもたらすストックの限界代替率に関する微分方程式系モデルを構築するとともに、人口、エネルギー、GNP、環境リスクなどのマクロ・パラメータを変数とするマクロ・モデルにより、各国のエネルギー・システム構造を分析した結果、将来、途上国における人口増加とそれに伴なうエネルギー需要増が予測されているが、先進国の例をみると、そのように人口もエネルギー消費量も伸びつづけることには構造的に限界があることが示唆され、今後のエネルギー展望に当たっては、先進国と途上国との間のそのようなエネルギー・システムの構造上のちがいにとくに着目する必要があることが示された。
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