研究課題/領域番号 |
04203111
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 健治 京都大学, 工学部, 教授 (20025919)
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研究分担者 |
加藤 邦夫 群馬大学, 工学部, 教授 (00008442)
新井 邦夫 東北大学, 工学部, 教授 (10005457)
笠岡 成光 岡山大学, 工学部, 教授 (10032921)
持田 勲 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (20037758)
富田 彰 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (80006311)
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キーワード | 石炭-メタノールスラリー-の迅速熱分解 / 石炭の接触熱分解 / 石炭の多段液化 / 石炭の超臨界抽出 / 石炭の高温ガス化 / 乾式高温脱硫 / 石炭内非共有結合 |
研究概要 |
本研究は、石炭の高度利用技術の開発によって石炭利用効率を大幅に向上するとともに、クリーンな石炭転換プロセスを開発して、炭酸ガス問題を始めとする環境問題解決に大きく貢献することを目的にしている。具体的には、(1)非常にマイルドな条件下で液収率を大幅に向上し得る熱分解法の開発、(2)生成物の組成制御を可能とする新しい超臨界・熱分解抽出法の開発、(3)各ステップを最適化した高効率多段液化プロセスの開発、(4)高温ガス化プロセスの最適条件選択の基盤確立、(5)石炭ガス化等で生成するガスを脱硫・精製するための高複合機能脱硫剤の開発に取り組んでいる。本年度得られた成果は以下の通りである。 1.石炭内非共有結合の強度分布を評価する手法を開発した。さらに、石炭転化率、液・BTX収率を飛躍的に増加させる合理的プロセスとして石炭メタノールスラリーの迅速熱分解を提出し、工業化可能なことを明らかにした。2.CoMo/Al_2O_3触媒を用いた石炭の粉・粒流動層熱分解により、水素雰囲気、500℃の熱分解条件下で、7.2wt%のBTX、ナフタレン収率を得た。3.超臨界流体による石炭抽出条件を最適に設定することで、60%近くの石炭転化率,10数%のBTXを得ることに成功した。4.前処理/水素移動液化/硫化鉄触媒水素化反応からなる多段液化を提案し、溶剤/石炭比が1において完全転化,オイル+アスファルテン収率81%を達成できた。5.最高1500℃の高温域で石炭をガス化した。高温でも炭種によるガス化反応速度の差が認められ、その序列は炭化度、表面積、結晶不完全性と相関された。6.石炭ガス化生成ガス組成に応じた酸化亜鉛系高度脱硫剤の至適使用温度の指標を確立した。7.層間架橋粘土触媒を用い、石炭低温揮発性成分のその場接触改質を行い、600℃以下常圧水素下にて2〜4%のBTX収率を得た。8.石炭の高分子構造と溶媒等の各種化合物との親和性を実験的に評価する新手法を確立した。
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