近未来に予測される排気ガス成分中のCO_2の低減策では、海洋投棄が最短距離にあるものと予想される。ついで触媒によるメタノールへの変換利用であろう。このような後城理システムには最適のCO_2濃度が存在する。大量のCO_2を扱う場合には、排気ガス中に含まれる余剰ガスの分離には相当量の電気エネルギーを必要とする。この研究の主目的は、排気ガス中に含まれるCO_2濃度を任意に制御できる燃焼システムの提案にある。そこで、現用の10数%から100%に近い高濃度CO_2までを相定して、実験的研究によりその可能性を示すと共に今後配慮すべき課題についての検討を行った。 当研究推進のために、(1)円筒直管型噴霧燃焼器、および(2)渦室型噴霧燃焼器の試作を行った。(1)は燃焼火炎温度、排気ガス成分計測を目的とし(2)は重質油ならびに微粉炭を目的に設計試作したものである。これらにより、N_2をベースとした噴霧燃焼、CO_2をベースとした噴霧燃焼実験により任意量のCO_2を排出可能な燃焼システムを示した。N_2ガスベースの場合には30〜40%の酸素富化によりCO_2ガス濃度を最高40%程度まで、CO_2ガスベースの場合には酸素富化との組合せにより最高90%程度までの高濃度排出燃焼を実証した。酸素富化燃焼は必要燃焼ガス量の絶対量を減少させることが出来ることから省エネルギーの観点からも利用価値が高い。 排気ガス中に含まれる他のガス成分は通常の燃焼システムと変わらないが、CO_2ベース燃焼ではサーマルNOの発生が無いことが特徴である。重質油は(2)の燃焼システムの利用により完全燃焼が可能である。
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