1.時間帯別電源構成とCO_2発生量の推定建築物におけるエネルギー需要(電力・温熱・冷熱需要)は、時刻変動パターンとして建物用途別に表現されるものであることから、特に、使用する電力については、時間帯別の単位使用量当りCO_2発生量を推定する必要がある。本研究では、「第3水曜日負荷曲線図」を基に、時間帯別の電源構成を燃料種類毎(原子力・水力・(自流式)・石炭・LNG・原油・重油・ナフサ・NGL・軽油・水力(揚水式))に推定し、送電ロス等を考慮した上で、需要端における使用電力1kwh当りのCO_2発生量を求めた。 2.CO_2発生量の算定結果による空気調和システムの選択3つの建物用途(オフィス、デパート、ホテル)について月別エネルギー需要時刻変動を明らかにした上で、6種類の空気調和システムを適用し、各々のCO_2発生量を算定する計算モデルを構築した。その結果、オフィスでは、(系統電力+ボイラー(都市ガス焚)+電動ターボ冷凍機)という従来最も一般的であったシステムにおいてCO_2発生量が最も少なく、(コージェネレーションシステム(電力需要追従運転)+ボイラー+低温水吸収式冷凍機)という灯油焚の比較的新しいシステムで最もCO_2発生量が多くなる(前者の約1.3倍)などの評価が得られた。この原因としては、オフィスに電力需要追従運転のコージェネレーションシステムを適用した場合の、回収排熱と熱需要との不適合の門題が考えられる。デパートでは、エネルギー需要パターンが類似していることから、オフィスに近に結果が得られた。また、ホテルでは、(コージェネレーションシステム(電力需要追従運転)+ボイラー+電動ターボ冷凍機)で、都市ガスを燃料とした場合のCO_2発生量が最も小さく、一方、最近実施例の多い(系統電力+冷温水発生機)において最も大きな値を示す結果となった。
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