研究概要 |
対向拡散法により微粒子分散高分子膜、ゾル-ゲル法により微粒子分散アルミナ膜を作成した。Gd、Dy等の希土類酸化物微粒子分散PVA膜はいずれも可視光に透明である。ペルデ定数は10^<-6>mol/cm^2ドープ量でλ=488nmの時、0.005〜0.008min・Oe^<-1>・cm^<-1>である。Ag/PVA膜は420nm近辺にプラズモンの吸収を示すが、粒子の凝集が進むにつれて長波長側に幅広い吸収を示す。本分散膜を用いて、種々のDNA塩基水溶液についてラマン散乱測定を行ったところ、強い増強がみられ、ナノモルの塩基量の検出が可能であった。AuコロイドにBSAを加えると吸収スペクトルの長波長側の裾がのびる。BSA添加と無添加のスペクトルの差と添加量の間に相関があり、ngのBSA検出が可能である。遷移金属微粒子/CA膜を用いて、環状α、β-不飽和ケトンである2-メチル-4-クロモンの接触水素化反応をエタノール中で常温常圧で行った。分散膜は金属塩水溶液と還元剤水溶液(NaBH_4、HCOOK)を膜を介して接触させ、金属微粒子を膜中に析出させて調製した。本基質の水素化反応の経路としては1,2水素添加と1,4水素添加によりエタノールを経て進む経路がある。 NiまたはPt微粒子/CA膜では前者、RhまたはPd微粒子/CA膜では後者の経路で反応が進行していると考えられる。還元剤の種類またはその濃度によっても選択性が変化したが、これは粒子径の違いによると考えられる。粒子径が小さくなるにつれて1,2水素添加の経路が優先される傾向を示した。 ゾル-ゲル法で作成した熱処理した半導体微粒子/Al_2O_3膜は発光特性がよいことから、同様にしてGe半導体微粒子/Al_2O_3膜を作成した。本膜はAr^+レーザー励起により560〜600nmにわたり幅広い発光を示した。
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