研究課題/領域番号 |
04205069
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
冬木 隆 京都大学, 工学部, 助教授 (10165459)
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研究分担者 |
木本 恒暢 京都大学, 工学部, 助手 (80225078)
吉本 昌広 京都大学, 工学部, 助手 (20210776)
松波 弘之 京都大学, 工学部, 教授 (50026035)
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キーワード | シリコンカーバイド / 原子層エピタキシー / 表面超構造 / 青色発光ダイオード |
研究概要 |
本研究は表面制御原子層エピタキシー法を用いて、広禁制帯幅半導体シリコンカーバイド(SiC)の高品質結晶を製作し、紫〜青色を含む全可視領域にわたる光物性を制御することを目的とする。我々は、表面ステップ密度の制御によりステップフロー成長を誘起促進させ、極めて高品製のSiC成長層を得ることに成功した。本年度に得られた主な成果は下記の通りである。 1.原子ステップ制御法によりSiCの結晶成長 低指数面に数度の傾斜をつけた基板を用いることにより、ステップフロー成長を促進させ、1200〜1500℃の低温で高品質の6H-SiC単結晶が得られた。成長機構においては、坂界層中の反応種の拡散律速となることを実験的理論的に明らかにした。 2.4H-SiCの成長と青色発光ダイオードの製作 禁制帯幅が大きく(3.24eV)、電子移動度が高い4H-SiCの高品質成長層を再現性良く得る技術を確立した。極めて表面平担性に優れており、p、nの価電子制御も容易である。発光センターとしてアルミニウムを添加した青色発光ダイオード(LED)を製作したところ、実用化に適用可能な色純度の優れた青色発光が得られることが判明した。 本年度の研究の結果、表面制御原子層エピタキシーの成長機構が明らかになった。さらに、4H-SiCという新しい材料の発光デバイスとしての可能性を示した。今後は、我々が開発した表面超格子制御法による原子層エピタキシーを活用した単原子層局在発光中心の導入を行い、量子効果を誘起して、発光波長の短波長化、効率の増大を図る必要がある。
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