研究課題/領域番号 |
04205110
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
斎藤 省吾 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (80136548)
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研究分担者 |
江良 正直 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (30191927)
筒井 哲夫 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (40037982)
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キーワード | ランゲミュア膜 / ヘテロY型累積膜 / 分子超分極率 / フェニルピラジン誘導体 / 2次高調波発生 / 2次非線形感受率 / 非線形導波路デバイス |
研究概要 |
ピラジン環と芳香環を含む3種の両親媒性分子を用いて、非対称ランゲュア膜を作製した。非対称膜はアラキン酸分子とのヘテロY型累積膜であり、各ピラジン誘導体についていずれも100層以上の累積に成功した。各非対称膜の2次非線形感受率を累積層数の関数として測定し、非線形感受率は層数の2乗に比例することを示し、膜中の分子凝集構造を破壊することなく多数層の累積に成功したことを明らかにした。 膜面の法線方向への分子配向性がすぐれた非対象膜間で2次非線形感受率値を比較し、分子超分極率が大きな分子を使用した非対象膜ほどその値が大きくなることを明らかにした。また、いずれの非対象膜も、代表的な2次非線形光学結晶であるニオブ酸リチウムを凌駕する特性が得られていることを示した。 特定のピラジン誘導体系について、アラキン酸とのヘテロY型非対称膜を金属イオンを変化されて作製し、それらの2次非線形感受率を求めた。また、膜中の分子配向性を偏光吸収スペクトル測定などの手法を用いて評価した。目的とする2次非線形感受率の値は分子配向性に強く依存し、膜面法線方向への配向性の向上とともに急激に大きくなることを明らかにした。 非線形光学効果を示す光導波路デバイスの作製を試みた。すなわち、光学プリズム表面にスペーサを介して非対称膜を累積した。累積膜の屈折率をmライン法によって決定し、屈折率異方性及び屈折率分散曲線を決定した。その結果を用いて、YAGレーザ光を基本波とする場合の整合条件を明らかにした。実際に、チォレンコフ型の光導波路を作製し、YAGレーザ光の2次高調波である緑色光を得た。
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