研究課題/領域番号 |
04206102
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
森脇 和郎 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 教授 (50000229)
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研究分担者 |
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助手 (90171058)
小幡 裕一 愛知がんセンター, 免疫学部, 室長 (30177290)
高木 信夫 北海道大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (20001852)
米川 博通 都臨床医学総合研究所, 実験動物, 室長 (30142110)
木南 凌 新潟大学, 医学部, 教授 (40133615)
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キーワード | 野生マウス / 組換えホットスポット / T細胞レセプター / TL遺伝子 / X染色体 / レトロウイルス遺伝子 / リボソーム遺伝子 / ミトコンドリアDNA |
研究概要 |
本研究の成果は二群に分けられる。(1)マウス野生集団の保有する広範な遺伝子変異から生物機能に関連する新しい遺伝子を探索すること、(2)新しい生物機能モデル開発の基礎データとしてこれらの遺伝子の構造と機能を詳細に解析すること。(1)群:森脇は東南アジア、中国、ロシア野生集団の遺伝子変異を探索した。約150地点から1000匹以上の個体を採集し、剥製標本の作成、血清資料の凍結保存、染色体の分析、DNAの抽出保存等を行った。中国西北部高地からは新しいヘモグロビンβ鎖遺伝子wlを見いだした。坂井は補体制御蛋白H因子遺伝子の塩基配列に亜種特異性を見いだした。鈴木仁は3種のマウスの5sRNAスペーサー領域に、亜種特異性を検出し、また染色体マーカーとしての有用性を示した。(2)群:城石は野生由来H-2領域に組換えのホットスポットを見いだし分子構造を解明した。この系統から突然変異高発RIM系統群が開発された。木南はmo-2反復配列を対象に日本産野生マウスに特有のメチル化変更遺伝子がある事を示した。谷口は各種のハツカネズミのT細胞抗原受容体遺伝子Vα14の塩基配列の分析からコドン変異を比較した。小幡は野生を含むマウスのTL遺伝子の塩基配列を解析し、進化的保守性を見いだした。高木は実験用マウスにアジア産野生由来X染色体を導入し、不妊が起こることを明らかにした。鈴木明身は野生マウスから糖鎖の構造を制御する多数の遺伝子に新しい変異を見いだした。池田はマウス内在性レトロウイルス遺伝子群Fv-4及びAKVの野生マウス亜種への取り込みの進化的過程と白血病抵抗性の獲得を明らかにした。宮下は肺腫瘍発生を抑制する実験用マウスにない野生特有の優性遺伝子をアジア産マウス由来系統に見いだした。野中の野生集団の分析から、ヒトでは高頻度のC4遺伝子の重複・欠損の頻度がマウスでは極めて安定であることを示した。
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